2016.06.18
ハリネズミ男 Vol.1
ハリネズミ男という言葉を聞いたことはあるだろうか?
おそらく聞いたことがない方がほとんどであろう。
臆病で警戒心が強く、無理に触ろうとするとハリで威嚇してくるハリネズミ。しかしその一方で、構うと喜ぶ可愛い一面も合わせ持つ。
バブル世代ほど貪欲ではないが 、草食ほど無欲でもない。硝子の心を持ちながら、プライドだけは強靭で絶対に傷つきたくない。女性は好きだが、断られるのが怖くて一歩踏み込めない。彼らは、抱きしめられるのが怖くて、体をハリで守る。
バブルと草食の間に挟まれたロストジェネレーション。そんな取り扱い注意のハリネズミ男が近年、30代男性を中心に東カレ界隈で大増殖中だという。この連載は、そんなハリネズミ男の観察日記。
<今週のハリネズミ男>
名前:ヒロキ
年齢:33歳
職業:飲食系コンサル会社経営
年収:約2千万
住まい:青山1丁目
出身大学:慶応大学
理想の飼い主:明るくて美人で連れていて自慢になる子
永遠に好きと言ってこないハリネズミ男
よく晴れた日曜日の昼下がり。
表参道の『SMOKEHOUSE』は幸せそうなカップルや家族連れで混んでいた。運ばれてきたハンバーガーとフレンチフライに目を輝かせているヒロキを見ながら亜美は小さな溜息をついた。
ヒロキと亜美がデートをするようになって、約半年。
週末は何となく連絡を取り合い、一緒に過ごすのが定番となりつつある。お互いの食事の好みも生活スタイルも理解しており、居心地が良い。少なからず惹かれ合っているのは誰が見ても分かる事実だと思う。
しかしヒロキは永遠に好きと言ってこない。
亜美は正統派美人な上に明るく、今までの人生で男性に困ったことはなかった。自立もしており、周囲には自然と人が集まるカリスマ性もある。だからこそ、半年も経ってこんなに煮え切らない男性は初めてだった。
周りの友達からは「二人はどうなってるの?」とよく聞かれる。しかしその質問に対する答えが毎回見つからず、質問される度に亜美の心にどんよりとした雲が翳る。
ヒロキは身長180cm。昔からスポーツが好きで、体格も良い。一見素っ気無く見えるが、二人でいる時はとても優しく、頼れる存在だ。しかしヒロキのハリネズミっぷりに散々振り回されている。
この記事で紹介したお店
スモークハウス
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