ハリネズミ男の本音
ハンバーガーを頬張るヒロキを見ながら、人の「好き」という気持ちはどれくらい続くものかと亜美は考えていた。大人になって先の見えない恋愛は辛い。時間も勿体無い。
早く答えを出すべきだし、聞いた所でヒロキがはっきり答えを出すのか微妙だ。ヒロキの事は好きだったが、段々関係性を問いただすのも面倒になってきて、亜美の気持ちは冷める一方だった。
女性が一度冷めると、その後の行動は驚くほど早い。
亜美はヒロキと離れる事を決意した。
そんな亜美の気持ちの変化に全く気付いていなかったヒロキ。
亜美に好意を抱いていたが、ヒロキは亜美に対して怖気付いていた。人付き合いが良くて顔の広い亜美の知人には錚々たるメンバーが多く、比較されると勝ち目がない。自分が傷つくのが嫌で、答えを先延ばしにしつつ、真剣に一人の女性と向き合うことから逃げていたのだ。
プライドが邪魔をして、針を引っ込めることができず、大事なものを失ってしまった。亜美が去ってから、ヒロキは激しい後悔を覚えたと人づてに聞いた。しかし、時既に遅しだ。
ハリネズミ男の取り扱い説明書
今後の参考として、ハリネズミ男取り扱い説明書を添えておく。
1. プライドを傷つけない
2. 自尊心をくすぶる(*チープな褒め言葉は逆効果なので要注意)
3. 好物は特別感を感じられること
4. 安心感を与えてあげる
5. 飼い主はさり気なくリードする(*あくまでもさり気なく )
心を許してくると、徐々に針が柔らかくなってくるハリネズミ男。
しかしそこまで行くにはかなりの時間と忍耐力がいることを忘れてはいけない。
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