取り扱い注意のハリネズミ男
そもそも、ハリネズミ男とは一体どういう生態なのか。
最初にヒロキと会ったとき、亜美はヒロキの視線を痛いほど感じた。会った翌日にヒロキから誘われ、はじめてのデートでは表参道の『TWO ROOMS GRILL』へ 。
二軒目へ行こうとしたが、ヒロキのクライアントから急な連絡が入り一軒目で解散 。
二回目のデートは麻生十番の『世良田』で焼き鳥を食べた後、近くにいたヒロキの知人と合流。三回目のデートはゴルフの打ちっ放しに行った後、亜美の友達カップルと合流して代官山の『鉢山』へ 。そうして何度かデートを繰り返し、今に至る。
話を聞いていて分かる通り、ハリネズミ男との関係は遅々として進まない。
最初のデートで手を出すなんて以ての外。気に入った女性がいるとまずその子をじっくりと観察し、自分が傷つくリスクがないかどうかを判断する。しかもその判断基準も、全てクリアする女性を見つけるには100年位かかりそうなほど細かく、判断期間がとにかく長い。
判断期間が長過ぎて、途中で女性がハリネズミ男の飼育を放棄するのはよくあるパターンだ。
理想は高いが萎縮して針を出す
また、理想が非常に高いのもハリネズミ男の特徴である。
自分の男としてのプライドが守られるよう、相手に妥協はしない。友達に紹介した時に羨望の眼差しで見られるか、一緒に連れて歩いている時に自慢になるかが重要なポイント。外見をかなり重要視しつつも、話がまともにできる知的さも兼ね備えている子でなければならない。
さらに理想を言うならば、自分を持っていて、ある程度自立している子が良い。しかし甘えてくれて、且つ甘えられるような優しさと大らかさも求めている。
女性に対する理想が高いにも関わらず、実際にタイプの女性を目の前にすると自分を相手にしてくれるのか、フラれたら面目が立たない等と不安になり、針を出して傷つかないよう身を守る。
こうして好きな女性がいても針で身を守りながら徐々に近づき、女性が一歩近づこうとすると不安で総気だつ。その針は想像以上に硬い。
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