京都クエスト Vol.7

京都クエスト:モテる女は知っている、男を落とす恋の店選び

結婚を意識していた彼女が京都へと去っていった。勝ち組のはずだった35歳・晃二を襲った突然の悲劇。最近では、遊び仲間たちも何故か京都の引力に惹かれている。

その謎を解くべく降り立った古の都。朝粥、湯豆腐、芸妓さん、東京では遭遇することのない新体験が、次々と彼を魅了していく。

そして日本が誇る着物フェス『太秦江戸酒場』で、シューズデザイナーのミサと出逢う。江戸時代にトリップしたかのような舞台で繰り広げられる恋の攻防戦の行方は。


タイムスリップという名の吊り橋効果


平成の現代に蘇った江戸の歓楽街、タイムスリップをしたかのような着物フェス「太秦江戸酒場」は、男女が恋に落ちる絶好の舞台だ。

ドキドキする体験を恋と勘違いする”吊り橋効果”、時代を超えた高揚感に、京都の酒造の日本酒が拍車をかける。イベントがクローズするまでの1時間で、2人は更に距離を縮めていった。

有名なお寺の襖絵や世界のハイブランドのデザインを手掛ける「だるま商店」は、クラブのグラフィティーも手がけている気鋭の絵師ユニット。白い着物にライブでペインティングしていく様にくぎづけになっている隙に、ミサは頬を寄せてさっと2人の自撮り写真を撮っていた。

「あはは、変な顔。」そこに写っている間抜け顔の俺と、心から楽しんでいるようなミサの笑顔。


上戸彩を髣髴とさせる横顔は、25歳らしいみずみずしさと同時に、芯の強さも感じさせるところがいい。パリで3年間修業していたという経験からか、晃二の周囲にあふれる自称読者モデル達とは、全く異質の印象を受ける。

トレンドを押さえたファッションに身を包み、代官山の『Ata』や恵比寿の『レ マリアージュ ド ガク』など女子好みのレストランを渡り歩く。そんな東京のデートも嫌いではないのだが、ここにいると改めてルーティーン化していたことに気付かされる。

アウェイの地に立つことの重要さは、なにもテニスやサッカーの選手だけの話ではない。恋する男だって同じなのだ。


一方、ミサもこの場を楽しんではいたが、完全に心をゆるしているわけではなかった。日本の他に、シンガポールを拠点にアジアで不動産投資をしている洒落男・晃二の親友の遼からは、年収は億に近いらしいと聞いている。いかにも遊び慣れた風の男を警戒しなければいけないということは、子供だってわかることだ。

それと同時に、お金が目当ての女と思われるのも本意ではなかった。一緒に過ごしたのは数時間だが、実際問題、彼女が魅力を感じていたのは、彼の好奇心の強さだったり、行動力だったり、美に対するセンスだった。お金持ちであるに越したことはないが、そこまで気にしていないというのが正直な気持ちだからだ。

ちょっと酔いをさまさなきゃね。

そんな彼女が太秦江戸酒場の後に晃二を連れて行ったのは、祇園の『おかる』というお店だった。

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