2016.05.15
glamp Vol.10# 03 個性化してくグランピング文化
グランピングの歴史に迫る、グランピング・コラム。20世紀半ばにグランピング・スタイルが確立していった後、歴史はどのように変化していったのだろうか?
時は流れて20世紀後半。すでに世界では、銀幕のスター、作家、ファッションデザイナーたちが、ロンドンやパリの生活と同レベルの環境を地中海の孤島やアルプスの山中に求め始めていた。
日常の喧騒から距離を置くため、大自然という、自分たちではどうにもできないようなフィールドに最もリラックスできる環境を創り上げることは、一つのトレンドになってきたのだ。彼らにとっては、向き合うことで得られる何かを探す行為だったのかもしれない。
しかしただ金をかけるのではなく、意味あるものを大自然に持ち込み、かけがえのない時間を過ごすことに傾けた情熱と言えるほどの遊び心は、一つの文化を生み出すには十分すぎるファクターだった。これこそが贅沢。いよいよグランピングが、洗練という熱をしっかりとを帯びてきた。
セレブや文化人たちが一つのスタイルを確立すると、それがムーブメントとなり、拡散するまでにさほど時間を必要としなかった。21世になった今、誰もが自分なりのスタイルでグランピングを取り入れられるようになってきたのだ。
大きくて優雅なテント、BBQだけでは終わらないための充実した料理器具、特別な夜のための照明、そして音楽。日常のアイテムの中から厳選し、外に持ち出すものを選び、自分好みの空間を大自然の中に出現させる。グランピング文化に、個性の時代が始まったと言っていいだろう。
そのために世界中で、さまざまなフィールドも誕生し始めた。草原の中のダイニング、コバルトブルーといつでも一つになれる、海上のコテージ、森に溶け込むツリーハウス、空と台地を独占できるキャンプサイト。
さらなるものを求める人の心とは、ここまで限りないものなのか、と感嘆してしまうほどのフィールドが我々を呼んでいる。それぞれの施設が独自の世界観で、グランパーたちを迎える空間を創り出していることにお気付きだろうか。
グランピングの時間をより濃密なものにするためのギア、大自然へ向かうための車も、選択できるだけの数がすでにある。我々は、グランピングを「選べる」時代にいるのだ。この喜びをしっかり享受しないでなんとしよう。グランピングが産声を上げてすでに1世紀半。現代のグランパーは、すでに大きな自由を手にしている。
施設が増え、ギアが整いライフスタイル化していっているグランピング。今後もどんどん進化していくグランピングから目が離せない!
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