週末婚2016 Vol.5

週末婚2016:地獄の母の日ランチ! 料理教室を開く姑とバリキャリの嫁は水と油!?

前回までのあらすじ

週末だけ一緒に過ごす結婚・週末婚生活を送る諒介(31)と理帆子(35)。

結婚3周年記念日に理帆子から同居の提案をされ戸惑う諒介だったが、結論は先送りのまま理帆子はミラノへ。しかしミラノで理帆子はデザインの賞を逃してしまう。

一方諒介は、上海の美術館のプロジェクトを任されることになるのだが、何故か事務所のお荷物の後輩と組まされることになる。

週末婚2016 vol.4:嫉妬深いのは女より男? 元カレが優しいのは不幸な女にだけなのか。


昨夜、諒介の事務所の代表・堤が行きつけの帝国ホテルの『オールド インペリアル バー』で、諒介はこう告げられた。

ー森島、お前は自分に自信がないんだ。それが今のお前に最も足りないものだ。いいか、人を育てることは、自分自身を育てることでもあるんだ。
星野はまだまだ未熟だが、お前のような男なら、彼女の才能をきっと伸ばせるはずだー

上海の美術館の設計を堤に任されたことは心から嬉しかった。だが、後輩を育てていきながら、大きなプロジェクトに臨めるだけの自信は諒介にはなかった。

堤の言葉がすんなりとは飲み込めず、設計のアイディアも一向に浮かんでこないところに、姉・清香からLINEの着信が入った。

ー今週の土曜日のお昼、予定通り空いてるわよね? 来週は母の日だから、理帆子さんも一緒に家族でランチ、よろしくね!ー

そうだった。確かに先月、姉から連絡が来て承諾していたのだが、最近めまぐるしく色々なことがあったため、うっかり忘れていた。

それにしても間が悪い。

今週の土曜と言えば、理帆子がミラノから帰国して初めての週末だ。結局、あの結婚記念日以来、理帆子とはまともに話せていない。だが、実家に週末婚を認められていない身としては、実家にも気は遣わねばならない。

諒介の実家は世田谷の上野毛にある。母・淳子は、週末婚に猛反対だった。
去年退職したばかりのメガバンクに勤めていた堅物の父を、常に陰で支えてきたような、典型的な良妻賢母であった母に、理帆子の前衛的な考えは理解できないのは無理もなかった。

自分と同じような生き方、同じような価値観の女を息子の嫁に、という母の気持ちは分からなくもなかったが、何よりも理帆子に惚れていたから、母よりも自分の気持ちを優先して結婚に踏み切ったのだった。

4つ上の姉・清香は実家の隣駅の二子玉川に、皮膚科を開業している夫・真之と、3才になる息子の春斗と3人で住んでいる。

頻繁に実家に帰り、母に甘えて食事を一緒にしたりしている要領の良い女なのだが、案外弟想いの部分があり、結婚してからギスギスとしがちな母と諒介の仲を取り持とうとしてくれていたのだった。

その姉の計らいで、このような食事の場が定期的に催されるのであるが、しかし放っておいて欲しい諒介にとっては、余計なお世話でしかないのであった。

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