2016.04.11
フレンチといえば、その芸術性も世界で群を抜く料理。我々日本人にとっても、その洗練された料理にどこか日本の伝統的な懐石料理と共通した部分を感じる。
今回は、シェフの性格や趣味、哲学が表れている、思わず食べるのが勿体ない程の芸術的な一皿をご紹介。
『ガストロノミー “ジョエル・ロブション”』 『レストラン タテルヨシノ 銀座』 『レストランひらまつ広尾』 『アルシミスト』 『レヴェランス』という豪華ラインナップでお届けします。
アートの素養を生かしディテールを追求
『ガストロノミー “ジョエル・ロブション”』
「時代に即して料理は自然志向になっていますが、盛りつけのディテールの追求はロブションの普遍の特徴です」。
穏やかな口調で語るアラン・ヴェルゼロリ氏は、ロブション氏の右腕。写真は、彼のセンスでロブションの名物を盛りつけた一皿だ。
皿の右上端のオレンジの線とキャビアの写真は、左手の「キャビアをのせたスモークサーモン」を反復表現したもの。水中を泳ぐ鮭の動きをイメージして上から下に書いたオレンジの線には、かつて習った墨絵の経験が生きているとか。
絵や写真も趣味とするシェフのアートの素養が、一皿の中にちりばめられている。
■プロフィール
アラン・ヴェルゼロリ 1994年パリの『ジョエル・ロブション』開業時に、エグゼクティブ・スーシェフに就任。1999年に来日し、現在は系列全店の監修を務める。
※こちらの店舗は、現在閉店しております。
ソースの配置で大切なのは曲線と流れ
『レストラン タテルヨシノ 銀座』
吉野建シェフが盛りつけに対して重視するのは、「皿の中の色彩、曲線や流れ」。その哲学を示す好例が、写真の料理(¥23,100のコースの前菜)だ。
中央の手長エビのサラダ仕立ての周囲を飾るのは、エビと相性のよいカリフラワーのクリームの白い曲線と、バジルのソースの伸びやかな流れ。繊細な甘みをもつ手長エビは、殻つきのままソテーすることで、身に殻の香ばしさが移されている。
その手長エビの風味を引き立てるのが、赤いコライユ(エビミソ)のパウダーと、ジュレドクリュスタッセ(甲殻類のジュレ)、泡状の柑橘の酸味。ブロッコリーの歯触りがアクセントをつけている。
■プロフィール
よしのたてる 1952年鹿児島生まれ。1997〜2013年までパリで『ステラマリス』を営み、高い評価を得る。国内では銀座、汐留、広尾、和歌山などでレストランを手がける
印象派絵画を思わせる やわらかな色づかい
『レストランひらまつ広尾』
小川大樹氏が料理長に就任した際、自らのセンスで「総合芸術としての料理」を追求するために意識したのは、「(お出しした時に)お客様の顔が明るくなるような盛りつけ」。ソースは味だけでなく、視覚的な華やかさを出すためにも不可欠だ。
コンソメを含ませた聖護院大根にフォアグラのソテを合わせた写真の前菜(ランチコースより)には、やわらかな酸味とコクのあるベアルネーズソースをたっぷりと添え、赤ワインとポルト酒で煮込んだ山椒を細い線のように配置した。やさしい色遣いは、小川シェフが好む「印象派の絵」を彷彿とさせる。
■プロフィール
おがわひろき 専門学校卒業後、渡仏。有名店での修業を経て、株式会社ひらまつ入社。『レストランひらまつパリ広尾』で活躍した後、2012年『レストランひらまつ広尾』料理長就任。
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