慶應ガール、29歳 Vol.3

慶應ガール、29歳:温室育ちのゆるふわ専業主婦の、30歳を目前とした変化

大学時代「慶應ガール」と呼ばれ、華やかなイメージを持たれていた慶應卒の女性。同じ三田キャンパス出身でも、卒業後の進路は十人十色。

しかし、29歳という年齢が一つのターニングポイントであるという点は共通している。彼女たちの前にいくつもの選択肢が広がるが、同時にそのいくつかを選択しなければならないタイムリミットが迫る。

今週は、29歳で既に専業主婦となった、絵に描いたような箱入り娘な慶應ガールを紹介する。

<今週の慶應ガール>
氏名:麻理恵(29歳)
職業:専業主婦
出身:自由が丘
学部:商学部
住居:恵比寿の1LDKマンション
家賃:22万円
家族:父は大手企業の執行役員。母は地方の良家出身の専業主婦。一人っ子で箱入り娘。
ペット:トイプードルのココア
夫:日系大手証券会社勤務の祐介(32歳)

一般職に就く慶応ガールは、実は珍しくはない。



麻理恵は、東京都出身者に多い、中学から私立に通った人間だ。中高一貫のお嬢様学校に通い、指定校推薦で大学に入学した。そんな彼女も、29歳となった現在は専業主婦である。

麻理恵に大学に入学した理由を尋ねると、こんな答えが返ってくる。「何で大学に入ったって、うーん、考えたこともなかった。周りの人たちがみんな大学に行くから……」

それでは、商学部に入学したのは、何か学びたい分野があったから?「指定校推薦の枠があったから……」

彼女は大学卒業後、大手保険会社に一般職として入社した。育ちの良さが見た目にも表れている彼女は内定が出やすく、就職活動も難なく終わった。慶應卒で一般職はもったいないのではないか?と思われる方もいるかもしれないが、女性の大学進学率が50%近くとなった今、早慶卒の女性でも一般職を志望する人はそれなりに存在する。

大企業勤務であればそれなりの給料も貰え、定時に帰ることができる。仕事もプライベートも充実させられる。しかも実家暮らしなので、貰った給料の殆どは、自分の好きなように使える。

士業に就くため、学者になるため、男性と同等に会社で働くために大学に行くというわけでもない。いざという時に「生き方を選べる」から大学、それも慶應に通うのだ。そして彼女の両親も、その生き方を否定はしなかった。娘に苦労をさせたくないのだ。

寿退社した理由、それは3つある。


そして彼女は、アフターファイブで出会った高給取りの男性と付き合い、結婚した。当時は入社5年目で職場でも戦力として認められていたが、結婚を機に会社を辞めた。

「麻理恵ちゃん、辞めるの!? 結婚しても仕事続けてる人もいるけど、辞めるの!?」

寿退社をすると告げた時、社内の多くの「麻理恵ファン」は悲鳴を上げた。それと共に、「結婚をするからといって、会社を辞めなくても良いのではないか」と思った人も少なくはなかった。

それでも麻理恵は、会社を辞めた。理由は3つある。

1つ目は、母が専業主婦だったように、自分も家庭のために全力を尽くしたかったからだ。朝は祐介を優しく起こし、夜はおいしい食事を用意して彼の帰宅を待つ……そんな生活をしたかった。

2つ目は、祐介の給料で十分に生活することが出来るから。

3つ目は、5年働いてはみたものの、もう少し気ままに過ごしたいと思っていたから。

そうして27歳で結婚した麻理恵は、家事の傍ら、料理やお菓子教室に通ったり、友人と優雅にランチやお茶をしながら気ままな専業主婦を送っていた。

そして29歳となってすぐに、妊娠が発覚。今度は出産のための準備に夢中になっている。ベビー用品や子育てに関する情報収集に余念が無い。時には母とデパートに行き、一緒になってベビー用品を購入したりもした。そんな「母になるための準備」に励む彼女の姿を、祐介は目を細めて見ていた。

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