私にとっての「すべて」と、眞希子にとっての「すべて」もまた違う。
最近、アメリカ大統領選の共和党候補に名乗りを上げているドナルド・トランプ氏の秘密兵器として噂されている娘・イヴァンカが、面白いことを言っていました。
あるインタビューアーから「女性は、"すべて"を手に入れることができると思いますか?」という質問に対して、「その質問に答えるのは難しい。だって、"すべて"を手に入れるという"すべて"の意味は人によって異なるから。」と。
優等生街道の麻布生まれの彼。
だけど、彼の提示する「本物」は、彼自身が自分の足で稼いだ経験値から割り出されたものなのでしょうか?
「食べログ」の上位店しか信じない彼は、「食べログ」で3.5以下なら絶対いきません。自分が行って美味しかったレストランではなく、口コミ評価の高いレストランに私を連れていく彼。無条件に頼む一番高いコースに、歴史に裏付けされた有名ブランド、何かの雑誌に書いていそうなハウツー・・・
彼が教えてくれる「いいもの」や「本物」が時々薄っぺらく見えてしまうことがあります。
そういえば、北海道にいた時、まぁくんは、自分で食べて本当に美味しかったものだけを食べさせてくれたんですよね。「騙されたと思って」と自信満々に連れて行った、評価が3点割れしている洋食屋のナポリタンの感動的な美味しさと比べると、兵藤さんが連れて行ってくれるレストランは、何だか輪郭がぼやけている気がします。
私が「もっと」と望んだ世界なのに、贅沢な話だってのはわかっています。
だけど、女性が望む「もっと」は、必ずしも、「一流」の世界や、「ハイエンド」な世界ではないのかもしれません。
木綿のハンカチーフのメロディが頭の中で響きます。
恋人よ いまも素顔で
口紅も つけないままか
見間違うような スーツ着たぼくの
写真 写真を見てくれ
いいえ 草にねころぶ
あなたが好きだったの
でも 木枯しのビル街
からだに気をつけてね
からだに気をつけてね
新しいファッション、トレンドを意気揚々と身につけ、すっかり東京に馴染んだ私ですが、いろんな世界を経験してきて、最近、自分が本当に求めるものがわかってきた気がします。
歳を重ねるごとに、変わりゆく価値観、パートナー、経済感覚・・・
上京し、地元の恋人とも、二階堂とも別れ、新しく大人の彼氏・兵藤と交際した希。いろんな男性と付き合う中で、徐々に、自分にとって必要なもの、必要じゃないものを徐々に肌で感じ始めているよう。
次週29歳になる希は、どんな女性になっているのだろうか。3月6日(日)最終回。
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