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東京札幌物語 Vol.7

東京札幌物語:希28歳。「すべて」を持っている大人な彼氏と付き合うということ。

大人な彼と、付き合うということ。


大人でリッチな優しい彼と一緒にいると、確かにとても満たされている気がします。

女子会にも嫌な顔せず混じってくれて、しかも「積もる話もあるだろう」と終わる30分くらい前に合流してくれる気遣い。そして、さらっと、女性陣の分の会計を支払ってくれて。もちろん、ご馳走することで友達の評判を買うような魂胆はあるでしょうが、それで株を上げられるならおやすい御用とばかりに毎回笑顔で支払いを済ませる彼の器量の大きさは尊敬します。

連れて行ってくれるホテルもレストランも、二階堂くんじゃ手も足も出ないところばかり。

『マルゴット・エ・バッチャーレ』では、トリュフも一番大きいサイズで、キャビアの最中はもちろん追加。誕生日ディナーは『フルタ』の7万円の最上級コース。二階堂くんには嫌がられた『アマン東京』にも逆バレンタインデーで連れて行ってくれました。ちなみに、ホテルでは「女の子と一緒にチェックアウトの列に並ぶのは恥」と彼が朝食の後にすでに会計を済ませるというスマートさ。


友達の結婚式に行く前のデートでは、私の履いてるプールサイドの靴を見て、そのまま、新宿伊勢丹に直行、フェラガモの靴と取り替えるなんて、手品みたいなこともありました。渋谷の「ZARA」で買ったポリエステルのコートを見て、彼は「そろそろちゃんとしたものを着た方がいいよ。」って「MAXMARA」のカシミアのコートを誕生日に買ってくれました。

「クリストフル」や「ラギオール」といった、白いクロスがひかれたテーブルの名脇役たちも彼が教えてくれました。

湧き出る好奇心の赴くままに行動しても、尽きないほどの情報も場所もある東京で、「もっと」を求めていた私の心を、兵藤さんは、なみなみと満たしてくれます。「いいもの」や「本物」を、彼はたくさん私に教えてくれました。

女友達からの評価もうなぎ上りで、「二階堂より全然良いよ!」って眞希子も絶賛、太鼓判です。

だけど・・・

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東京札幌物語

歳を重ねるごとに、変わりゆく価値観、パートナー、経済感覚。刻々と変化し続ける自分の人生において、調子がよいときには煩わしくも感じる「地元」の存在は、期せずして訪れる挫折と絶望のとき、優しく手を差し伸べてくれるはず。これは、北海道大学を卒業したのち東京の会社を中心に就職活動をし、渋谷にあるとあるインターネット企業に就職した北原希(きたはらのぞみ/23歳)の「東京」と「地元」の物語。

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