東京婚活事情 Vol.6

東京婚活事情:見栄で金を使いすぎて結婚資金がない!?若手外資系証券マンの悩み

都会の最前線では、天が二物も三物も与えたような、驚くほどに何もかもに恵まれた人間に遭遇することがある。その中でも、高学歴、高身長、高収入、そして美しい顔を持っている男。そんな男は女のそれより市場価値も希少価値も高い。

女?一通り見ちゃった感じありますよ。


<今週の東京婚活男子>
名前:哲哉25歳
職業:外資系証券会社のセールス
年収:約1,300万円
出身:都内
出身大学:慶応
住まい:麻布十番
家賃:20万円
交際ステータス:独身
悩み:金欠
チャームポイント:アヒル口

「俺なんかの話でいいんすか?別に面白くないっすよ。」

新しい遊びを見つけた少年のように、人懐こそうなアーモンド型の目に好奇心を潤ませこちらを伺う青年。長身をバーのスツールに預けながらも落ち着きのなさを隠すことが出来ず、ブラックベリーを指先でトントンと小刻みに叩いている。

哲哉は慶応大学を卒業後、某外資系証券会社に就職した若きエリートで、さらに180cm近い長身と日本人離れした彫りの深い端正な顔立ちをしている。職業はモデルだと言っても誰も疑われないほど、自他ともに認める美青年だ。そして、こんな経歴の美青年を東京の女たちが放っておくわけもないが、哲哉も期待を裏切らない遊び好きで、かつ自分の魅力を十分に自覚している。

「女?もう一通り見ちゃった感じありますよ。OL、お嬢様、女子大生、グラドル、モデル、キャバ嬢、銀座のお姉さんとか?それなりに有名な女優とかじゃないと、もう別に驚かないっす。」

唇をとがらせながら得意げな口調で語る反面、目線は宙でキョロキョロと動き、表情や態度には幼さが残る。哲哉はその地頭の良さや品のある外見とは裏腹に、幼心のまま大人になってしまったような性格だ。その毒ともとれるズケズケとした物言いは生意気ではあるが、きっとそれも愛嬌として許され周りに愛されてきたのだろう。美青年の価値はそれだけ高い。

哲哉は、この業界の男たちによく見られる傾向だが、夜遊びが大好きだ。六本木や西麻布エリアの怪しげな隠れ家バー、カラオケやクラブといった賑やかな場所、ガールズバーやキャバクラと言った水商売の店を会社仲間や「俺を可愛がってくれる先輩」と呼ぶ金持ちの社長のような派手な男たちと毎晩のように徘徊している。

そしてこれもまたよくある話だが、多忙で優秀と呼ばれる男たちほど睡眠時間など皆無なほどよく遊ぶ。

哲哉は「モテ」の代名詞であるような会社名と甘いマスク、十分な稼ぎと、同じように質の高い仲間と戯れ、さらに20代の有り余る体力を武器にこの都会を存分にエネルギッシュに満喫している。

そもそも、本気で好きな女なんて、簡単にできない。


「結婚?んー、30くらいでしたい。今のうちにやりたいことやって、遊んで、全部見てから。結婚してから浮気とかしたくねぇじゃん。ウチの業界って結婚生活破綻してる人すげぇ多いんだけどさ、そんなのカッコ悪ぃじゃん。そういう話聞いて、結婚したくないって奴もいっぱいいるけどさ。」

激しい夜遊び話から一転、結婚観については意外にまともな発言をする。確かに、都内で裕福な夫婦ほど、実は不仲だの、金銭問題でモメているだの、離婚間近だの、結婚生活に関するネガティブな話を実によく聞く。

「結婚するってことは腹くくって責任とるんだろ。ちゃんと好きな人ができたら俺は結婚したいけどな。まぁ30くらいが理想だけど。」

若い頃に思う存分遊びきった者ほど家庭に入ると落ち着き、良い親になるなどとよく聞く話だが、本当だろうか。

しかしこんなに需要がありそうな、しかも本人も遊び好きだと断言している男が、30そこそこで誘惑の場から離れ家庭で大人しくしている様子など想像ができない。逆を言えば、そんな外資系証券マンは少数派とも言えるのではないだろうか。

「いや本当だって。確かに遊んでるけどさ、そもそも本気で好きな女なんて簡単にできねーじゃん。だからできたら普通に結婚も考えるだろ。」

遊びと本気は別物なのだという。

哲哉は、「本気で好きな女ができた自分」、「落ち着いた自分」を理想と掲げるのさえも生き生きと自慢気だ。
とは言え、若くして勝ち組な男にとって結婚を真剣に考える必要など、少なくとも今はない。

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