2016.01.09
東京婚活事情 Vol.2今のご時世、結婚は決してマストではない。
その中でも特に、何もかも手に入れた都会のアラサー超エリート男たちにとって結婚とは、生活レベルを落とすリスクと見なす者も多い。自由な時間を奪われ、経済的な重圧も感じ、そして数多寄ってくる女たちに目を向けることができなくなる。
そんな彼らは実際にどんな恋愛観を持っているのか、そのリアルな実情に迫る。
<今週の東京婚活男子>
名前:聡31歳
結婚歴:独身
交際歴:2年
職業:米国外資系投資銀行のトレーダー
年収:約5,000万円
住まい:赤坂のタワーマンション
家賃:40万円
恋人:美優30歳
恋人の職業:日系証券会社の秘書
夕暮れの日差しが美しい丸の内の仲通りを、我が物顔で颯爽と歩く男。
今年31歳になった聡だが、老いは微塵も感じられない。目には自信が溢れている。東京でも稀に見るイイ男だ。そして、日本中の一流企業が集まる丸の内の中でも、外資系投資銀行員はサラリーマンとしてケタ違いの年収を稼ぐ。
どんなに忙しくても定期的なトレーニングは欠かさず、スリムな筋肉質の体型は高校生の頃から全く変わっていない。スーツを完璧に着こなしている。彼らのような群を抜いた外銀エリート達は、醜くビール腹になったり、よれたスーツを着た中年男になるような歳の取り方はしない。
東京の恋愛市場で頂点に君臨する、エリートの謙遜と実態
「すごくなんかないよ、やめてよ。もっと稼いでる人なんてたくさんいるし、いつクビになるかもわからないし。朝5時からずっとパソコンに張り付いて上司から怒鳴られて、僕なんか会社の奴隷ですよ。」
きちんと矯正された白い歯を見せながら、爽やかに謙虚で温和な笑顔を浮かべ謙遜をする。この男は週に何度この笑顔とセリフを使うのだろうか。
「まぁでも3年目くらいまでは仕事も大変だったけど、今はやっと楽しくなってきたよ。しんどいこともあるけど、やっとトレーダーって呼ばれても恥ずかしくなくなってきた。」
31歳の超エリート。東京の恋愛市場の中で頂点に君臨すると言ってもいい。
リーマンショック後、外銀の男たちの人気は下がったとか、稼ぎも昔ほどよくない、安定を求める今のご時世そこまでモテない、など巷では言われているが、そんなのは嘘だ。
逆に今でも一線で活躍しているのは、不景気の中で生き残った選りすぐりの一流の男たち。ベンチャー企業の社長などより、収入も学歴も育ちもその会社名によって約束され、グローバルに活躍する彼らを狙う女たちは多い。都心の手練れの女たちから見ても申し分ないスペックである。
「彼女とは上手くいってるよ。先月は長い休みを一緒にとってLAとベガスに行ってきたよ。最高だったよ。今アメリカに両親が住んでるから、彼女の紹介も兼ねてね。」
そういえばfacebookにそんな投稿が上がっていた。ビジネスクラスの中で自撮り、ビバリーヒルズやベガスの高級ホテルでドレスアップ、ビーチで寝転ぶ美男美女のたくさんの写真。
2年近く付き合っている彼女の美優は聡と同い年で、同業の日系証券会社で秘書をしている。彼女は大学時代、ミスキャンパスに選ばれていた。二人はお互いを彼氏彼女として家族や友人に紹介し、公の場にもいつも二人で顔を出している。聡の豪華な赤坂のタワーマンションで料理上手な美憂が手料理を振る舞うホームパーティも評判で、定期的に開催されている。
結婚する必要はない。今が最高のライフスタイルだ。
「いや、結婚は考えてないよ。」
白い歯を見せながら、キッパリと、迷いのない眼で笑顔で答える。
「やりたい事がまだたくさんあるしね。今結婚なんて重大な責任とれる時期じゃないよ。もちろん彼女に不満があるわけじゃないよ。本当に好きだし尊敬してるし、浮気なんてしない。」
好きだという言葉に嘘はない。恋人として100%完璧な男。でも結婚はしない。
「彼女は結婚考えたいみたいだけどね。でも、もう30過ぎてで年頃だから結婚すべきみたいな流れに正直乗りたくないよ。結婚って男にとって責任だけじゃなくてリスクをとることでもあると思うから、仕事もプライベートも充実してる今、わざわざしようとは思わないな。彼女も理解してくれてるよ。いつかもし結婚するなら彼女とするだろうし。」
お互い愛し合い一緒にいて十分楽しく満たされているのだから、今結婚する必要もないという。今が最高のライフスタイルなのだそうだ。
「2年付き合ったから次は結婚・・・なんて、そんな簡単に一般論だからって決断する気ないな。彼女が離れていかないか?まぁ、もし彼女が離れるなら止めないよ。彼女の人生だし。別れないように結婚するっていうのも、抵抗あるしね。」
この男は本心を語っている。悪気もきっとないのだろう。ただ本当にそういう考え方なのだ。
だが30歳を迎えた女にとって男のこのスタンスがいかに辛いものか、この男は考えない。結婚願望のある女を自分から手放すこともしない。彼女のことは愛している。でももっと愛しているのは自分自身だ。
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