2017.01.03
お正月は一年の中でも、最も”和”を意識する時期だ。日本の伝統、着物、芸能etc…そして忘れてはならない、日本が世界に誇るべき”和”の食と言えば「鮨」である!
職人魂がとことん感じられる鮨の食い初めをしたい貴方へ。
いつの頃からか、銀座と並んで腕自慢の鮨店がしのぎを削るエリアとなった西麻布の名店をご案内しよう!
握り、料理はすべて夜のおまかせ¥18,500~
『西麻布 鮨 真』
西麻布が鮨激戦区となった一因に、この店の存在があるのではなかろうか?店主・鈴木真太郎氏に問い掛けると「大袈裟です」とひと言。しかし、2003年当時「有名店はほとんどなかったが、インスピレーションを感じた」西麻布に誕生の事実を考えると、やはりと思いたくなる。
あれから13年。現在の場所は2011年からで、個室も設え、路面に暖簾を掲げた移転だった。当初を振り返り、「シャリからネタの仕込み、仕事の仕方まで今と全く違う。別物と言ってもいいぐらいです」と鈴木氏。常に精進する姿勢こそ氏の真骨頂。その握りは美しさを通り越して、品格すら漂う。
「ここ数年で、ようやく形としてでき上がってきたとは思いますが、まだまだ。新しい仕込みを試してみたり、今も日々、変わっています」。名店には名店たる所以がある。
『笄鮨』
店名の〝笄〞とは60年代まで実在した町名から。現在の西麻布はエリアの多くが麻布笄町だった。「笄って女性が髪を結う道具なんだけど、甲賀と伊賀両家の武家屋敷がこの辺りにあったから笄って説も」。店主・轡田一男氏は言う。
この場所に店を開いたのは80年代。元々は奥さまが生まれ育った場所で当時、鮨屋は1、2軒しかなかった。「いつだったか、モンスーンカフェができて。それから賑やかになっていった」。
街の進化を見守ってきた氏だが仕事ぶりは不変。手をかけるものは手をかけ、握っている。10年がひと区切りなら、もうすぐ3周の計算だ。
「そうは言うけど、普通にやっているだけなんですよ」常連で賑わうカウンターの光景は江戸の頃から連綿と受け継がれてきた〝ザ・江戸前鮨屋〞の風格。心和む。
『西麻布 拓』
贅沢な空間、鮨とワイン……ザッと考えただけでも、『西麻布 拓』のスタイルは個性的。開店は2005年。これまででいろいろな波が世間を騒がせたが、しかし、食べ手をいつも魅了してきたのがこの店のおまかせだ。酒肴と握りを次々供するスタイルは痛快で、握りはネタにより赤と白のシャリを使い分けるのが店主・佐藤卓也氏の流儀。
そのネタも熟成は無論、温度にまで気を使い、最高の状態で提供できるよう配慮。だからこそ今日まで人気が続くのだ。
「品数は多いですから、飽きさせないよう緩急で工夫し、押し付けにならないよう、お客さまありきで考えている」。
当意即妙に繰り出される酒肴と握り。このスタイルには客を楽しませたいと願う氏の心意気が確かに宿っている。
※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。
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