「正しい味がする」これが正真正銘、日本で元祖のナポリタンだ!

開国以来、横浜は日本の窓口、異文化流入の地として栄えてきた。その為、食においても海外の料理をはじめて取り扱った"日本初"や、異文化の料理からヒントを得て作った"発祥"のものが数多い。

例えば、日本有数のクラシックホテル「ホテルニューグランド」。ここは日本を代表するスパゲッティ、ナポリタン発祥の地というのを御存知だろうか?

「スパゲッティ ナポリタン」は柔らかな麺のすみずみにまでソースを行き渡らせる

ナポリタン発祥の地
ホテルニューグランド『コーヒーハウス ザ・カフェ』

戦後、GHQに接収されていた時代、茹でたスパゲッティに塩、胡椒で味付けをし、トマトケチャップを和えたスパゲッティを昼食や夜食にはよく食べる進駐軍の姿を見た当時の総料理長・入江茂忠氏が「ホテルなのだからそれでは味気ない」と試行錯誤。ケチャップを一滴も使わないオリジナルのトマトソースを作り、ハムとマッシュルームを加えて完成させたのが、ナポリタンなのだ。

ナポリの屋台料理や家庭の味に似ていたことから「ナポリタン」と命名したが、実際にはナポリには存在しない、れっきとした日本の味だ。

山下公園に面した1階にあって風景もご馳走

具材は変わらず、マッシュルームとハムのみ

その後、ナポリタンは食料事情が悪い中でも手軽に作れるということで、街の喫茶店を中心として日本中に普及し、ウインナーや玉葱、ピーマンやゆで卵など具材のバリエーションも増えたが、 「ホテルニューグランド」のナポリタンの具材は変わらず、マッシュルームとハムのみ。

マッシュルームはもちろん生から使うし、ハムはそのままパンに挟んで食べたくなるほど上質なボンレスハムを使う。その味はトマトソースに絡んでもはっきりと伝わってくる。シンプルだが「正しいナポリタンを食べている」と感じられる、折り目正しい味だ。

さらに特徴的なのが、スパゲッティ。やや太めで柔らかく、しなやか。ソースをしっかりと絡め取り、具ともなじんで、なんともクセになる食感だ。聞けば、前夜に茹でておき湯通しして使うのがキモだそう。

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