2016.11.24
ナポリタンこそ日本で独自進化を遂げた(ラーメンに次ぐ)国民食! だれもがコドモの時から食べているあの味だが、お店によって千差万別なシロモノに。DNAレベルにまで刷り込まれたナポリタンが一変する、食するに値する6皿がここに。
『カフェテラス ポンヌフ』のナポリタン
副編集長 昌保博之選
新橋
これぞ喫茶店のナポリタン!を腹一杯に味わえる店である。
新橋にある『カフェテラス ポンヌフ』は、ランチタイムをとっくに過ぎた時間でも店内は満席。一人客のサラリーマンがほとんどで、ひっきりなしにお客さんが入れ替わりするほど。
ここでいちばんの人気料理は、ナポリタン。やわらかな太麺をしっかり炒めて、ケチャップもたっぷり。具は、ハム、タマネギ、マッシュルームとシンプルだ。普通盛りでもかなりの量だが、ほとんどのサラリーマンはハンバーグスパゲティー(大盛り)を注文する。
もちろんナポリタンの単品(650円)でもじゅうぶん満足。客たちはその人気の激旨ナポリタンを、まるで「カリオストロの城」のルパンのようにズバズバと豪快に食べている。自分の食い意地に驚くほどの、絶品ナポリタンをぜひ味わってほしい。
『どん底』のナポリタン
編集部員 鮓谷裕美子選
新宿三丁目
三島由紀夫が愛した麺 『どん底』のナポリタンです。ウインナー! ケチャップ! 玉ねぎ! 甘い! え、アサリ?!がきて、ピーマン(このピーマンが好きだ)。シンプル最高ー! とフォークを天に掲げたい、そんな麺です。
文豪が愛した麺、文豪麺の記事を書いたとき、徹底的に文豪と麺の取材をしたのですが、やはりここは白眉。演劇青年だったオーナーの矢野さんが文字通り手作りでお店を作ったそうで、そのはじまりは、1951年。東京に於いても歴史ある居酒屋のひとつです。三島由紀夫氏や金子光晴氏、黒澤明監督、美輪明宏先生などの名だたる名士を筆頭に愛されました。
わたしは英文学科なのに日本文学に傾倒して、ついに卒論を「三島由紀夫とヘミングウェイの両性具有的マザーコンプレックスと男根崇拝」と、三島由紀夫氏を先に冠して提出してしまいました。意味不明ですね。
そんな私が、三島由紀夫の通った店として大学時代から愛してきたのがこちらの『どん底』。新宿三丁目のど真ん中にあります。来るときはいつもひとりで、ボトルキープしてある「いいちこ」をがぶがぶ飲みながら、ちびちびさかなをつまみ、最後にこのナポリタンを食べて、年季が入った飴色の壁にぼんやり想いを馳せながら、ここに通った文豪、女優、美輪明宏先生にシンクロします。ナポリタンを食べているのではなく、歴史を味わっているのです。
なにかしたいけどなにをしたらいいかわからないひとは、ここのナポリタンを食べてみてください。ざっくりですが、なにか見えてくるかもしれません(わたしはまだ見えません)。
『プランタン』のスパゲティナポリタン
編集部員 船山壮太選
五反田
昔ながらの喫茶店のナポリタンを楽しめるのが、五反田の歓楽街を抜けた場所にある『プランタン』。1977年創業の喫茶店であり、昼は洋食店であり、夜はスナック?という、知る人ぞ知るお店。しかし、ここのナポリタンはべらぼうに旨い。
昼時は近隣のサラリーマンでいっぱいになり、その多くがナポリタンを注文する。一目見てわかるように、目玉焼きがてっぺんに乗っている。もう、これだけでそこらのナポリタンから一歩抜きんでている。そして、スパゲティはもちもち。口の中に吸いついてくる感覚さえ覚える。これを、たっぷりのケチャップで高火力で炒める。うす味好きな人には、「ちょっと濃すぎか…」と思えるぐらいの、濃厚なケチャップの味わいがたまらない。
具はオーソドックスにたまねぎ、ピーマン、ソーセージ。味噌汁がついてくるのがまたいい。これで700円。コスパも抜群。オムライスやコンビーフライスという、そそられる喫茶メニューもあり。夜はお酒だって飲めるし、カラオケだってできる。編集部の近くにあってくれて、ありがとう。心から思える、良店だ。
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