『酒場放浪記』吉田 類が酒場指南!この酒場に行っときゃ間違いない Vol.5

吉田 類の「俺の三ツ星」:もはやパワースポット化している都内の格安名酒場3選

星の数ほどある東京の酒場を楽しむには、TPOに合わせた店選びも肝要。

そこで、酒場を知り尽くした酔人・・・失敬、粋人である『酒場放浪記』でお馴染の吉田類さんに教えを乞うてみた。4日連続で連載し、いずれも呑ん兵衛ならずとも行きつけにしたい程の名店揃い!

第2回目となる昨日は、明治創業の古典酒場に隠された伝統を教えてもらった。そして第3回目となる本日は、給料日前の乏しい懐にも優しい軽く一杯に◎なセンホロ酒場を紹介して頂く。

「1000円札1枚だけ携えて飲みに行っても満足できるよ!」

煮込み¥110。もつと大根と豆腐の煮込みは、特製シャーベットハイボールと好相性

『立ち飲み いこい 支店』

赤羽

言わずと知れたセンベロの聖地・赤羽。この街で多くの人に愛されて40年以上の名酒場が『立ち飲み いこい』だ。2010年に改装した支店は、以前と比べて〝間口〟が広がり、常連客のあいだでは賛否両論あるというが、本質的な部分はなにも変わっていない。

店内の短冊メニューには、刺身から串焼きまで50種以上の酒肴が並び、100円台(!)の品もザラ。ビールは大びんで410円、氷代わりに焼酎のシャーベットを入れる特製ハイボールがとくれば、本能のおもむくままに飲み食いしても財布に響くことはない。

「消費税が上がろうが、そこは企業努力で乗り切りますよ」という店主の言葉も頼もしい限りだ。

クリームコロッケ。俵型のコロッケは食べ応え十分。仕入れ状況などによりメニューは異なる。写真は一例

カウンター上には惣菜がずらり

営業は早朝から

外観

吉田氏も唸ったというシメサバ。お供はもちろん広島の『千福』

『大露路』

新橋

新橋界隈で働くサラリーマンの〝パワースポット〟といえば、SL広場にほど近い裏通りに店を構える『大露路』。ビールを除いたお酒と料理がすべて300円均一という驚きの価格設定もあって、午後4時の開店と同時に席が埋まる人気店だ。

年季の入った短冊メニューには、まぐろステーキに串カツ、餃子など酒呑みのツボを心得たメニューが並ぶが、これらの料理はいっさい作り置きせず、お客の注文が入ってから調理する。

ハムフライ。厚さ2cmはあるだろう『大露路』の名物。プレスハムを揚げたオツな味

厨房は2人体制

人気店ゆえ、混雑時は相席で

外観

煮込み¥350。見ためよりもあっさりとした味わい

『いせや総本店』

吉祥寺

酒呑みに吉祥寺の名物を聞いたら、間違いなく『いせや』と答えるであろう、超有名酒場。昭和2年に精肉店として開業。現在のように店内で焼き鳥やもつを供するスタイルになったのは、昭和28年のことだ。

以来、焼き台から立ち上る白い煙とともに、吉祥寺のシンボル的存在として、老若男女問わず多くの人々を魅了してきた。『いせや』が誇る焼き鳥は、どれも大ぶりながら1本80円と良心的。

鮮度抜群の肉を高級品の備長炭で焼くのもこだわりで、ひと口ほおばれば、その旨みが口の中にジュワジュワーッと広がる。

ミックス焼き鳥(4本)¥320。レバー、ハツ、ひなどり、シロ。単品は1本¥80。焼酎ウーロン割り¥320。焼き鳥に合わせてグイッといけば気分爽快!

焼き台のある1階席

内観

■プロフィール
吉田類 高知県出身の酒場詩人。BS-TBS「吉田類の酒場放浪
記」は、飄々としたキャラクターで大人気番組に。高知県観光
特使及び仁淀川町観光特使としても活躍。最新刊『酒場詩人の
流儀』(中央公論新社刊)が好評発売中!

明日は、吉田類さんに、酒はもちろん旨い肴もある酒場を教えて頂く。お楽しみに!

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

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