2017.01.04
また暴飲暴食してしまった。。。そんなお正月を過ごした貴方。グルメを諦める必要は全くありません!
むしろ疲れた胃と怠けた体をリセットする、魔法の料理、それが「スッポン」。
クツクツと沸き、湯気が立つ鍋中で、溢れんばかりの生命力を感じさせるすっぽんであったか&元気に! 程よく歯応えのある肉質を楽しんだ後は、すっぽんのエキスを吸い込んだ雑炊を堪能するのも◎。
今冬は、丸鍋でしか味わえない贅沢な美味を、これから紹介する名店で味わって頂きたい。
芳醇で清廉なスープは父のやり方に忠実に『つち田』
すっぽんほど食材の良しあしと炊く技術がはっきり分かれるものはないように思う。クリアなスープを飲み進めても、最後のひと匙に泥臭さを感じる残念な例がある。そんな経験者にこそ訪れて欲しいのがここ、浅草寺裏にある『つち田』だ。
店主・土田裕氏の母上が開いた小料理屋『栗ちゃん』を父上が引き継ぐ形で約40年前に創業。ふぐを看板としてきたが、現在は浜名湖産を中心としたすっぽんが人気だ。
基本コースの構成はシンプル。生き血のジュース割りに心臓、胆嚢、レバ刺しの次にはメインイベントの鍋が来る。さっと湯がいて薄皮を剥いだすっぽんを、たっぷりの日本酒と水で3、40分強火で炊く。
コツはと問えば、それだけと土田氏は言うけれど、鍋底が見える美しいスープにはすでに、とぅるん、とした色気が漂う。
立ち上る芳香はそれだけで人を酔わせる。醤油を用いず、塩だけで調味するのも、個性のひとつだ。すっぽん以外の具は、ささがきゴボウと斜め切りのネギだけと潔く。大事なスープの旨みを薄めてはならないからだ。
コラーゲンの塊なんていう能書きは不要。旨いものは旨い。浅草駅から徒歩15分と少々便は悪い。だから余所で飽き足らなくなった人だけが足を運べばいい。ちなみに九重親方もそんなひとりだと、聞いた。
身体は火照り、陶酔する。究極の丸鍋はここに『四つ葉』
荻窪駅から歩くことおよそ10分。それと知らなければ通り過ぎてしまいそうなほど、その佇まいはさりげない。ここが懐石『四つ葉』。食通らの間では、つとに知られたすっぽんの名店である。
狭い間口に長い暖簾をくぐれば、そこは、ひとつの小宇宙。19歳から料理の道に入り、食に詳しい元華族の常連客の教えを受けつつ、独学で研鑽を積んだ料理人“新ちゃん”と面倒見の良い女将さん。ふたりが繰り広げる、“美食劇場”が待っているのだ。
端正な味わいの懐石料理もさることながら、花形スターはやはり“すっぽん“。
ここで扱うのは養殖の中でも最も大きい1〜1.1㎏サイズ。これをふたりで一匹分、部位ごとに各々コースよろしく順番に食べていくのが四つ葉流だ。
まずは黄色い玉のような脂肪がたっぷりついた後ろ足からスタート。脂はプリンとした歯応えと共に口中でとろりと溶け、身が締まりながらも弾力のある肉とのコントラストが実に美味。
旨いだけではない。新ちゃん曰く「スッポンの脂は不飽和脂肪酸」だそうで、コレステロールや中性脂肪の調節に一役買ってくれるというのだから、まさしく一石二鳥。
続く肩甲骨は、しっかりとした筋肉質。みっしりとした肉質は噛みしめるほどにすっぽんならではの精悍な旨みがにじみ出る。そしてお次は柔らかくゼラチン質たっぷりの首で味蕾を潤し、今度は前足。こちらは、鉄分を含む赤身肉とプルプルのコラーゲンが口中を液状攻撃する。更に胸骨の通称“エンペラ”のねっとりした官能的な食感を堪能した後は、ガッシリと歯応えのある骨盤でフィニッシュ。
ひとつひとつにしっかりと味が入っており、臭みなど皆無。スッポン鍋にありがちなベタついた甘さもなく、透明感に満ちたスープが舌をリフレッシュさせる。
このピュアな味わいも、試行錯誤を重ね、臭味や雑味を取り除く独自の手法を編み出した新ちゃんの努力の賜物だろう。〆の雑炊も圧巻である。
※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。
この記事で紹介したお店
四つ葉
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