2015年のとんかつベスト10を発表! Vol.1

勢力図が変わった!? とんかつ狂たちが格付けする基準とは?

かたや、料理評論家・山本益博さんと共に「とんかつ会議」を主催するほどのとんかつ第一人者マッキー牧本氏と、そなた、グルメで知られる元力士・浦風親方。
肉質が一気に向上し、揚げ方も進化した現在、ふたりのとんかつ好きが、2015年を代表するとんかつ店をそれぞれ10店舗づつ選出。

まずは、進化を続けるとんかつをどう選び、そしていかに愛するべきか。奥深きとんかつ道のイロハをここにて伝授。本日から5日間連続、今年を代表するとんかつをつまびらかにする……とその前に、今回はふたりのとんかつ談義をお届けする。

肉、衣、揚げ方…すべてにおいて気を使ったとんかつは、衣がサクッでなかはジューシー。マッキー氏、浦風親方がともに推す『すぎ田』のとんかつ¥2,600(定食)

とんかつ屋巡りは大人の粋な遊びである

牧元:とんかつは蕎麦とか焼き魚と同じように、日本人に生まれてしみじみよかったと思えるもののひとつだと思うんです。

浦風:そのうえ私には、子どもの頃から家族で外食するときのごちそうでもあって。大人になってからも、ハレの日の料理というイメージは変わりません。

角界に入ったとき、部屋の近くに『いもや』(飯田橋)があったんです(※閉店のため紹介は割愛)。当時お金はなかったんですが、店の方は私が相撲取りと知っているから、ごはんを大盛りにしてくれたり(笑)。まさに休日のご褒美でした。
そういうのもあって、マッキーさんたちの「東京とんかつ会議」は、ごちそうのなかのごちそうを追求する大人の粋な遊びという感じで、憧れます。

牧元:「東京とんかつ会議」は、もう80回近くになるのですが、料理評論家の山本益博さんが「平成のとんかつ番付を作りたい」と始めたもの。そのために意識して食べてみると、昔に比べてますますとんかつは美味しくなっているし、いい店も増えているんです。豚肉の質の向上に加え、衣や揚げ油、揚げ方へのこだわりを体現する職人さんも多くなって。

浦風:いいお店もなんですが、今日は何より大人の遊びの極意……マッキーさんがどんな風にとんかつを食べているのかを学んで帰りたいですね(笑)。

衣はふわりと軽やか、肉質は文句なしに上質。『ポンチ軒』の特ロース豚かつ定食¥2,400

¥2,000を超えるごちそうだからこそ、こだわりたい

牧元:食べ方というのは個人の好みだから、押しつけるものではないと思うんです。僕だって店の人に「最初のひと口は塩で食べてください」と指図されたりすると、「えぇい!しゃらくせぇ!」ってなるしね(笑)。

浦風:卓上に選択肢を用意したら、あとは客に任せろと。

牧元:それでいいと思うんです。料理に力があれば、食べる側も考えるようになるからね。とはいえ、あえて言えば、とんかつは豚肉をより美味しく食べるための料理。本当に美味しいとんかつはそのままで美味しいし、何もつけず素で食べたり軽く振った塩で食べたりすると、肉、衣、油の感じがよくわかるんです。

浦風:なるほど。現役の頃は、とんかつにもキャベツにもソースをかけて、ごはんをモリモリ食べたものでした。『矢場とん』(銀座)のみそだれたっぷりなみそかつなんて、ごはんを美味しくするアイテム以外の何物でもなくて。でも今はそういう大人の食べ方もよくわかります。

牧元:とんかつは大衆食だけど、なかには¥2,000超えるものもあるわけだし、親方もおっしゃったようにごちそうとして味わいたいんですよ。

浦風:いい店は肉にも当然こだわっているでしょうし……。

牧元:銘柄豚には安定供給の難しさもありますが、吟味されていることは確かですね。

浦風:私は断然ロース派で、とにかく脂の美味しさを感じたい。肉は厚くて柔らかく、衣は薄めなのが好みです。

牧元:とんかつは肉と衣から成る料理ですから、両者のバランスは大事。『すぎ田』(蔵前)のとんかつのように、パン粉が細かく薄い衣の方が、肉の力が問われるし、ごまかしがきかない。粗いパン粉は余計な油を吸って上あごに刺さるようなカリカリの衣だと、肉も対抗しにくいんじゃないかな。『成蔵』(高田馬場)のパン粉は中粗だけど、衣を本当に軽く揚げるからいいんですよ、バランスが。

浦風 揚げ方はまさに職人技なんですね。

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