編集・鮓谷の東京“コスパ”カレンダー Vol.18

赤坂であの女子アナも通う、コスパ抜群の和食屋に入店したら昇天した

curated by
鮓谷 裕美子

と…そこへ!!!刺身からバラが生えておる!!!

疲れきって背中を丸めて出汁を啜っていた高倉健のようなわたしは、いまこの、ゴキゲンな刺身が登場したことにより、松平健のような心持ちに!

なにこれ! 松平健なら絶対にお刺身サンバ踊るやつ! イエイ! 刺身から生える薔薇、初めてみたよ。

しかも、わたしには薔薇、隣には黄色の粟花と変えてこられるところが、わたしの残滓ほどの乙女心をくすぐります。

お次もコースのなかの一品、アボカドや葉野菜のサラダです。いま鰹節削り器でかいたばかりの本枯れ節が、サラサラとサラダの上に舞います。

かきたての鰹節の(かつぶしといいたい)フレッシュな舌触りと時間の詰まった香ばしさ。

分厚い業務用削り節をポテトチップス代わりに、デスクで食べているわたしにとって、ここは天国!

でたー! アル中ハイマー界のグリーンスムージーーーーー!!!

12年ほど休肝日がないわたし。この酒が進むアテが、ど飲酒界のグリーンスムージに見えてしまったことはご愛嬌☆

素麺にみえるのは長芋、その下には糸瓜と自家製おぼろ豆腐。モロヘイヤソースが旨くまとめて、身体の浄化を図ります(?)。

#スムージーじゃない

この出汁をかけながら焼いた、のどぐろの若狭焼き。肌に箸を差し込むと、濃厚でジューシーな魚汁が垂直に飛び出してきて、心底仰天しました。

え? 噴水なの? この魚?ってなりましたからね。

と、閉じ込めすぎ! 出汁! 出汁、閉じ込め過ぎ。

・・・・・・これ、魚界の小籠包なんじゃないの?

からの、ビフォア&アフター。

お皿は客からのメッセージですので、美味しかったですの気持ちを込めます。

そしてそして「甘いものはいかがですか?」という声に「甘いものが苦手なんです。デザート食べるなら、ホタル烏賊の沖漬けをデザートに食べるタイプなんです」と恐縮しながら告げると、ササっと出してくれたのが、こちら、俺のデザート。

自家製豆腐の味噌漬けとホタテを煮詰めたものに煮こごりをかけたもの。丁寧に丁寧に煮詰めておられるからか、煮詰めているのにホタテは、しょっぱ辛くなく、むしろ出汁の優しさが際立っています。

いやはや、最初から最後まで、こんなに自分がウザいほど興奮したお店は久々でした。

純粋に、しみじみ「魚うめぇな」とひとりごちたいとき、肩肘張らないデート、個室もあるので接待、女子っぽりカウンターでも、八面六臂の和食屋さんです。

しかもANAインターコンチが徒歩3分。そこのバーでワンツーフィニッシュも、なんなら可!

赤坂、罪づくりな街です(下唇を噛みながら、終電で編集部に戻りつつ)。

※本記事に掲載されている価格は、原則として消費税抜きの表示であり、記事配信時点でのものです。

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