レストランで恋のシーソーゲーム(MAN) Vol.1

レストランで恋のシーソーゲーム
第1話:『東京土山人』で打つジャブ

—こんな感覚はいつぶりだろうー 大学時代の先輩に誘われて、20-30人が集まる恵比寿の新年会に顔を出した。 ホスト役である先輩の柳内(32)が女性3人組をにこやかにもてなしている。

—こんな感覚はいつぶりだろうー

大学時代の先輩に誘われて、20-30人が集まる恵比寿の新年会に顔を出した。

ホスト役である先輩の柳内(32)が女性3人組をにこやかにもてなしている。

「浩平、ちょっと料理を出すの手伝ってくれよ」

「いいすよ」

「結衣ちゃん、こいつ浩平。俺の大学時代の後輩。インターネット企業でプロデューサーやってる。結衣ちゃんもインターネット企業勤務だっけ?」

「うん、私は広報。浩平さん、はじめまして。料理の取り分け、手伝いましょうか」

「いいよいいよ、レディーたちは待ってて!」

カッコつけて慌てて「レディーたち」などと口走ってしまった。
料理の準備を終え、彼女たちに取り分け、僕の元を去って行った後も、気が付けば僕は結衣を目で追っていた。



翌朝、昨日の会のFacebookイベントのページから結衣を探して友達申請をした。結衣のプロフィールを見ると、勤務地が恵比寿とある。

—昨日のイベントでお話しした浩平です。覚えていますか?恵比寿が職場なんですか?僕は恵比寿在住です。奇遇ですね笑—

—メッセージありがとうございます!もちろん覚えてますよ。ガーデンプレイスで働いてますよ。浩平さんは恵比寿のどの辺にお住まいなんですか?

—恵比寿西で代官山と恵比寿の間くらいに住んでるよ。昨日レストランの話もけっこうしたし、活動エリアも近いようだし、一度ご飯食べに行かない?—

—ぜひ。楽しみにしてます!—

軽いノリで誘ってみたが、事実上初デートのようなものだ。最初からガチガチのグランメゾンやリストランテに誘うとさすがに引かれるだろう。手軽ながら雰囲気も味も良い店はないだろうか。そうだ、中目黒の『東京土山人』にしよう。水曜20時に予約したと結衣にメッセージした。



「お待たせしました!遅くなってごめんなさい」

「ううん、今来たところだよ」

結衣は20時20分に来た。僕は緊張のあまり10分前に着いていた

「まだまだ寒さが厳しいね。ここのすだち蕎麦はあったかくて美味しいよ」

「おいしそう!私、蕎麦好きなんですよ」

入口すぐにカウンターもあるが、カウンター席は埋まっており、奥のゆったりとした4人がけの対面席に通された。カウンター席であれば勝負を賭けやすいが、やむを得ない。スローペースで臨もう。

「結衣ちゃんってどういう男性が好きなの?」

「正直、顔とかはどうでも良くて、学歴と教養と経済力がある人。あとは男性として器の大きい人」

随分とストレートに条件を並べてくる。

サイドメニューの天ぷらを食べ、蕎麦を食べても時間は1時間ほど。時計を見るとまだ22時前。会話が盛り上がったのかイマイチ手応えを掴めない中、勇気を出して誘った。

「まだ時間もあるし、もう一軒行かない?」

一見、清純そうに見えた結衣の正体は、この時まだ知る由もなかった。

■レストランで恋のシーソーゲーム(WOMAN)第1話:ファーストデート 男性のデューデリジェンスは慎重に。


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