西麻布や恵比寿といった街の刺激を楽しんできた“エビダン”たちが、年を重ねた今しっくりくるのは、程良く肩の力が抜けた街・広尾。
ラグジュアリー感がありながらも生活や人の温もりが漂う独特の空気感が「居心地がいい」。
他のどこにもない高級感と親しみやすさが共存するこの街こそが、格好いい大人たちの隠れ家だ。
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「エビダン」は10年経つと、「ヒロオジ」に変わる説ってある
42歳、10年も住んだ恵比寿から広尾へ。北東へ移ったことで、時差も生まれた。
恵比寿時代から生活が2時間早い。30代前半の恵比寿では、深夜1時まで前日扱いだった。遅くに女子を呼び出し、シャンパンで乾杯。飲み会は、起業への夢を語り、虚勢を張る場所でもあった。
そんな時間を経て、コロナ禍で一念発起。起業後は飲み会も減り、家でパンチェッタを仕込む料理男子に。
その頃から少し手狭になり、引っ越しを考え始めた。求めていた条件に見合ったのが、広尾の今の家。妙にいまの自分にしっくりきたのだ。
近所の夕方散歩が心地いい。外国人住民や、上品な犬が歩く街。
1年が経ち、余裕ある空気に、自分も溶け込んできた。
圧倒的広尾ローカル率。その民度の高さが、心地いい理由のひとつ
広尾に越してから、ひとり飯も増えた。ワイン片手にビストロ行脚していた恵比寿時代と違い、和食も食べる。
今夜は、蕎麦割烹『こうもと』で、綺麗な刺身を肴に「磯自慢」を呑む。
それも至福だが、呑んだあとの蕎麦の旨いこと。
そんな楽しみを知る常連同士で自然と会話も始まる。広尾に住む先輩たちは、日本酒にもワインにも詳しく、年下にも敬語で話す紳士ばかり。
なんて落ち着く客層。虚勢という言葉が、存在しない夜が続く。
舞台はココ!『こうもと』
南麻布の閑静な住宅街に佇む3階建ての蕎麦割烹『こうもと』。蕎麦好きはもちろん、季節の日本料理を楽しみにする常連も多い。
挽きたて・打ちたての蕎麦を提供し、「酢橘そば」など季節ものもあり。和酒の他にワインを300種以上もそろえ、カリフォルニアが豊富。
ブランド名で勝負をしない。それがこの街で覚えた「余裕」のひとつ。
酷暑のある日、『明治屋』の前の大木で蝉が大合唱していて、暑さの勢いで、#広尾の蝉 なんてストーリーをあげた。
すると、10年前にヒルズのホムパで知り合った彼女から「私も聞いたばっかり!」と返信が。最近、六本木から広尾に引っ越したとか。自然な流れで、彼女を飲みに誘った。
女性とふたりは久しぶりだ。恵比寿時代は常に軽いノリで女子を誘っていた。飲み会の采配にも定評があった。いつでも誰でも呼べる自分が好きだった。
たまに、恵比寿仲間のSNSを覗くと、子どもの成長が早くて時空が歪む気分。広尾では、ひとりも落ち着くと、プロ独身に。
そう認識しつつ、老舗ベーカリーで仕事先への手土産を調達した際、彼女への引っ越し祝いに小菓子を買った。
舞台はココ!『BOULANGERIE BURDIGALA 広尾本店』
1998年創業、広尾住民の上質な日常を支えるベーカリー。
元々は“ワインに合うパン”を楽しめるレストランからはじまったお店。現在もそのテーマを意識しつつ、バゲットからクロワッサン、セイボリーパン、ペストリーまでを、10種以上の小麦を使い分け焼きあげる。
■店舗概要
店名:BOULANGERIE BURDIGALA 広尾本店
住所:港区南麻布4-5-66
TEL:03-3280-2727
営業時間:8:00~20:00(日祝~19:00)
定休日:火曜
経験を重ねた男女が巡り合う、広尾という終着駅
港区女子の最上位に君臨するような、大人びた印象だった彼女。国内外でさまざまな美食を体験済みと、その肌艶が語っている感じだ。
そんな人を誘ったのは、和食の『幸せ三昧』。コース1万円で地元民が多く、悶絶とかではなくさらりと「美味しいね」という言葉があちこちで漏れる店である。
「もっと早く広尾に来ればよかった」
僕と同じ心情を言う彼女のお猪口に日本酒をつぎ足すと、鱧との相性に「幸せ三昧」と笑う。この人もマリアージュ脳かと、「ひらまつ」の地下にある隠れ家フレンチを教える。
「一緒に行きましょうよ」
ここにきて、美女飯トモが出現。六本木や恵比寿での泡酒が長年の養分となり、いまようやく、広尾で上質な芽が顔を出し始めた。
舞台はココ!『幸せ三昧』
『賛否両論』の笠原将弘氏の一番弟子であった中山幸三さんが2009年に開業。季節の食材を実直に調理するコースが1万円1本と、昨今では珍しい値付けだ。
お造りや海老しんじょう、天ぷら、西京焼きなど、誰もが好きな王道の和食を提供し、〆の土鍋ごはんまで好評。
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