原色のシロップに涼を求めたのは遠い過去。
2011年にブームとなった「ふわふわ氷」の熱狂を経て、今や野菜や調味料などを巧みに組み合わせた「イノベーティブ氷」へと進化を遂げていた。
ランチをかき氷で済ませる人が増えるなど“食事化”も加速中。かき氷=デザートの常識を覆す、話題の5軒をピックアップ!
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1.氷界のアヴァンギャルドたるひと皿は、口の中で溶けゆく瞬間、甘みと塩味がじわっと交差する
『CHAP』の「とうきび畑」
大阪やフランスの星付きレストランで研鑽を積み、『カンテサンス』ではパティシエの技術も学んだ、『CHAP』の中北若葉シェフ。
27歳の若き才能が、「教科書のない業界だからこそ、氷の上なら無限の表現ができる」と直感したのが、かき氷を始めたきっかけだった。
例えば、「とうきび畑」(¥3,000)は皿全体で「焼畑」を表現し、あぶった皮の煙とともに供される。
ごぼう茶とコーン茶のブレンドと、ゲランドの塩による2種のシロップをあいがけした上に、芯まで炊いたピューレやトンカ豆のカスタード、パッションフルーツ、2種のとうもろこしが重なる。
ハモンセラーノとメープルベーコンの塩味、トリュフオイルの香りが官能的なアクセントとなり、すくう部位で表情が変わる。新たな才能の参画が、かき氷の進化を加速させ続けていく。
2.新じゃがにブルーチーズなビストロ氷が背徳過ぎる
『DEMEKIN』の「じゃがいもほうれん草ブルーチーズ」
2021年、21歳で『DEMEKIN』をオープンした中北レイラさん。アボカドとトマトを氷に合わせた先駆者が放つ新作も独創的だ。
ほうれん草とブルーチーズのミルクをベースに、糖度の高い新じゃがピューレやシチュー、生ハムをオン。これがかき氷としてスイーツに昇華されるのが面白い。
間に忍ぶブラックペッパーのタルトとクランブルの食感も楽しい。¥3,150。
3.桃とトマトに白みそが寄り添うサラダ氷
『茶房 オクノシブヤ』の「桃のカプレーゼサラダ」
目白にある老舗甘味処から独立し、『茶房 オクノシブヤ』を立ち上げた店主・江良保正さんが手掛けるかき氷は、「スイーツを罪悪感なく楽しんでほしい」という思いが原点。
山梨の桃や熊本のフルーツトマト、チーズなどを合わせた「桃のカプレーゼサラダ」(¥2,750)は、白みそあんが優しく旨みを引き立て、全体をまとめる。
ベビーリーフは油分があるので氷とマッチするのが意外な発見。
4.ディル香るガスパチョとメロンに生ハムの塩味が躍る
『氷紋tocage』の「メロンと夏野菜のガスパチョ」
『氷紋tocage』の店主・石井 雄さんはかき氷の人気店『和kitchenかんな』出身。料理好きが高じて野菜を使ったかき氷を始めた。
「メロンと夏野菜のガスパチョ」(¥2,500)は、夏を乗り切るスタミナスープに着想を得ており、モッツァレラのエスプーマにメロンとガスパチョのシロップが重なる。
生ハムの塩気やディルの清涼感がメロンの甘みと溶け合い、夏っぽい爽快感が癖になる。
5.南国生まれの濃厚なコンビを醤油が粋にエスコート
『氷舎mamatoko』の「アボカドと焼きバナナにお醤油黒みつみるく」
年間1,600杯ものかき氷を食し、“氷の女王”という異名を持つ原田麻子さんは、白だしなど日本の調味料を使ったかき氷を発案。
『氷舎mamatoko』の「アボカドバナナ」(¥2,100)は、京都の醤油を用いた、優しい甘みのお醤油黒みつみるくのシロップがベースで、香ばしいバナナのブリュレと驚くほどマッチ。
アボカドクリームチーズのコクが響き合い、半歩先の驚きへと誘う。
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