A1:「忙しい」は本当?単に後回しなのか不明だったから。
健太と出会ったのは、マッチングアプリだった。「いいね」が来たので、健太のプロフィールを確認する。
塩顔でスーツがよく似合っている写真に、悪くない年収。私からは「ありがとう」を返し、マッチした私たち。少しやりとりをした後で、私たちはすぐに会うことになった。
「杏さんは、お仕事は何をされているんですか?」
「保険会社の総合職です。健太さんは?」
「僕はコンサルです」
「え〜すごい、優秀!でもお忙しそうですよね」
丸の内の保険会社に勤める私と、コンサルで働く32歳の健太。
普通だったら接点なんてないと思う。でもこういった、新たな素敵な人たちに会えるのがマッチングアプリの良いところだ。
「まあ、忙しいは忙しいですけどね。でも、その分やりがいはあって」
そう言う健太が、とても格好よく見えた。
この日はホテルのラウンジでお茶だったので、すぐに食事へ行くことになった私たち。
正式な初デートは、神楽坂のとても素敵な和食屋さんへ連れていってくれた健太。この日もとても盛り上がり、「もはやこのまま付き合うのかな…?」なんていう期待すら抱くほどだった。
そしてこの日以降、何となくLINEを続けており、良いムードで進んでいた。
しかし、なかなか次のデートの誘いが来ない。
― あれ?そういえば、次のデートの約束してないよね…?
そう思った。
しかし、そんな不安を抱き始めたタイミングで、健太から金曜の夜に突然「今から飲まない?」と連絡が来た。
― 健太:当日にごめん!急遽用事が早く終わりそうなんだけど、この後で杏ちゃん、会えたりしないかな?
正直、健太から連絡が来て喜んでしまった自分がいる。
でも、金曜の夜に突然呼ばれてホイホイ行くのは安い女だということはわかっている。
ただ、健太とはなかなか会えないから、会える時間は大切にしたい。
そう思ったので、健太が指定してきた六本木のバーで22時半から会うことにした。
「ごめんね、突然呼び出して。杏ちゃんが、空いていて良かった」
「ちょうど解散して、家へ戻ろうとしていたところだったので、良かったです」
「ナイスタイミング」
「健太さんは?何をしていたんですか?」
「僕はクライアントと会食があって。予想より早く終わったから、連絡しちゃった」
「連絡もらえて、嬉しいです」
― この一言は、余計だったかな。
そう思ったけれど、健太はとても嬉しそうにしているし、本当に会食だったのだろう。
それに急だったけれど、会えたことに変わりはない。
「でも、健太さんって本当にお忙しいんですね」
「そうなんだよ。ごめんね、なかなか会えなくて」
そんな会話が続いた。
しかしこの後も、連絡は来るものの具体的に会う日程を何も提示してこない健太。
― これって、会う気あるのかな?それとも単純に、私に対する優先度が低いのかな。
最初はグイグイと、テンポよく来ていた。しかし当日の誘いに、軽く乗ったから興味が薄れたのだろうか。そんな気持ちになってしまった。








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