A2:リミットが決められていたから。
初デートの第一印象がとても良く、「すぐに会いたい」と思った。だから二度目のデートで、沙穂に告白しようと決めた。
表参道のイタリアンで食事をし、コースが終わってデザートのタイミング。僕は、彼女を見て言った。
「真剣に、付き合ってください」
そう伝えると、意外にも沙穂は、少しだけ迷っているように見えた。
「瑛二さん、すごく嬉しいです。でも……私、36歳です。37歳までには結婚したいと思っています。もし遊びなら、本当に大丈夫なので」
たしかに僕は32歳で沙穂は36歳。彼女の方が4つ年上だ。でも僕も将来、いつか結婚したいと思っているし、年齢は本当に何も気にしていない。
「遊びじゃないですよ!それに年齢は、関係なくないですか?」
「そうですか?そう言ってもらえるなら嬉しいです」
「じゃあ…お付き合いして頂ける、ということで大丈夫ですか?」
「はい。宜しくお願いします」
こうして、僕たちの交際がスタートした。でも、もちろんこれだけですぐに結婚に至るわけではない。
ここまで結婚が早かったのは、交際後の沙穂の言動が決め手だった。
週末を一緒に過ごすことが多かったのだけれど、どれだけ一緒の時間が増えても、沙穂の嫌な点が何も見えてこない。
むしろ、嫌いになる要素が何もない。
例えばデートの方法一つを取っても、沙穂といるのは楽で、居心地が良い。
「瑛二くん、明日は忙しい?観たい映画があるから、一緒に行かない?」
「うん、いいね。予約しようか?」
「ううん、大丈夫。こっちでチケット取っちゃうね」
依存しすぎることもなく、自発的に提案をしてくれる。それに加えて、沙穂は自立もしているので、予定がサクサクと決まる。
そして11月にお互い休みを取って、ヨーロッパ旅行を決めた時のこと。
「じゃあエアーは俺が手配するね。沙穂ちゃんは、泊まりたい場所とかある?」
「パリでどうしても泊まりたいホテルがあって。そこは私が出すから、二泊はそのホテルを入れてもいい?他はもう少し予算を抑えたいな」
沙穂は、金銭感覚もしっかりしていた。
「もちろん。じゃあホテルは沙穂ちゃんに任せる。現地の食事代は、考えよう」
「OK!もし瑛二くんの方が、支払いが多過ぎたりしたら言ってね」
僕の方が稼いでいると思うけれど、出せるところはちゃんと出そうとしてくれる。その気持ちが嬉しいし、「結婚しても、安心だな」と簡単に想像できる。
今まで出会ってきた女性達は、付き合う前に出す“フリ”はしても、実際に交際するとぴたりと出さなくなる人が多かった。
その点、沙穂は堅実で真面目だ。僕のお金を湯水のように使われることもないだろう。
「あと、出発当日は瑛二くんの家から一緒に行くよね?パッキング面倒だな…」
「そもそもだけど、沙穂ちゃん、荷物を毎回家に取りに帰るのは大変じゃないの?もう一緒に住む?」
最近、沙穂が僕の家に泊まることが多くなっている。毎回家へ戻るのは面倒だろう。そう思ったので同棲を提案すると、逆にピシャリと線を引かれてしまった。
「うーん。それは結婚してからだね。ちなみに、そろそろタイムリミットが迫っておりますので宜しくね〜」
「ん?何のタイムリミット?」
頭の中で一生懸命考える。すると沙穂は美しい微笑みを浮かべながら、さらに釘を刺してきた。
「え?私の誕生日、4月なんだけど」
― あ…そういえば交際する時、そんなことを言っていたな。
完全に忘れていたわけではない。でも心のどこかで「まだ先でいいかな」と思っていた自分もいる。
ただ沙穂に再度お尻を叩かれ、僕は気持ちが引き締まった。
「交際する時に言ったでしょ?『37歳になる前に』って」
「いつかは」と思っていたけれど、沙穂にとっては今なのだろう。
そこで今一度、真剣に考えた。今後、彼女以上に一緒にいたいと思える人には出会えない気がする。それに沙穂のことは好きだし、これだけ一緒にいても何も嫌なところがなく、この先もずっと一緒にいたい。
そう思ったので、僕はヨーロッパ旅行でプロポーズすると決めた。
でももし仮に、沙穂がリミットを決めていなかったら、結婚は、もっと先になっていたかもしれない。
なぜなら、男性はなかなか自分からは動かないから。
だからもし結婚したいなら、女性陣はある程度手綱を締めて、軽くでも良いからタイムリミットを設定した方が早く結婚に近づくと思う。
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良かれと思った言動が、仇になる女







この記事へのコメント
沙穂にお尻をお叩かれてプロポーズ決めたとでも?
う
この言い方、苦手! まぁ今迄、付き合った途端に一銭も出さないような女性としかご縁が無かったからなんだろうけど。
まぁアラフォーで婚活してる皆さんを応援するテーマにしたかったのもあると思うね。