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男と女の答えあわせ【A】 Vol.299

デート2回で「いい子だけどナシ」と思われていた女。しかし、突然“本命”に昇格した理由とは

三浦マキ

A2:同性からの評価がとても高かったから。


真子とのデートのあとなんとなく連絡が途絶えて、2ヶ月ほど経った頃。

僕は、同期の慎二と『TWO ROOMS』で飲むことになった。すると、店内のテラス席に、真子がいたのだ。


「あれ?遼太郎さん…?」
「え!真子ちゃん!?どうしたの?何してるの、ここで」
「私は今友達と軽く飲みながらご飯食べようとしていて…」

ちょうど真子も女友達と二人だったので、思わずこう誘ってしまった。

「…良ければ、一緒にどう?こっちも男二人だし。あ、でも嫌だったらもちろん全然大丈夫」

しかし真子もその友達もすぐにOKをくれて、店員さんに確認して僕たちは4人で飲むことになった。

「遼太郎さんと、友人の美春です」
「こちら、僕の友人の真子ちゃんで。こちらは、僕の同期の慎二です」
「初めまして〜」

お互いの友人を紹介し合い、和気あいあいと盛り上がる。今日の真子は、前回のデートと違い、なんだか陽気で楽しそうだ。そんな真子を見て、思わず僕も笑顔になる。

そして場がだいぶ和んだあたりで、先日結婚したばかりの、同期の梨花が乱入してきた。

「どうも〜二人がお世話になってます!ちょっと、そこのメンズ二人!シャンパンよろしく」

酔っ払っている梨花の相手が若干面倒になっていると、真子が丁寧に対応してくれている。その姿を見て、僕は感動してしまった。

そして何より、真子はずっとニコニコとしていた。


「真子さん、今日ご機嫌ですね。ずっと笑ってる」
「そうですか?やだ、恥ずかしいな。でも楽しくて」

そう言いながら、少し恥ずかしそうにする真子は、とても可愛い。

「真子さん、この前静かだったから、楽しくないのかなって心配していたんです」
「そんなことないですよ!すっごく楽しかったです。でも緊張していたというか…私、話すのもそんなに上手くないので、逆に大丈夫だったかなと思って。だから今日、遼太郎さんに偶然でも会えて、本当に嬉しいです」

― そうだったんだ。

つまらないのかと思っていたから、真子の本音が聞けて嬉しい。何より、こんなにも喜んでくれる真子を見て、僕の心は薪で炊いたストーブのように、じんわりと温かくなっていく。

「そうだったんですね。それなら良かった」
「とりあえず…もう一度、乾杯しますか?みんなで」
「そうしましょう」

こうして、楽しい夜は更けていった。

そして帰り際、真子と美春の二人をタクシーに乗るところまで見送ると、残された梨花と慎二が妙に感動している。

「いや〜真子ちゃん、良い子だわ」
「ね。可愛いし、ああいう子と結婚したら幸せな家庭を作れるんだろうなぁ」

二人の好評価に、僕はなぜか鼻高々になる。すると、さらに梨花が付け加えてきた。

「お世辞抜きで、真子ちゃん良い子だと思う。私に対する対応も素晴らしいし、計算がないというか…純粋に遼太郎のこと好きそうだし、すごくいいじゃん。この東京で、特にこの界隈で中々いないよ、あんないい子」

梨花が真子のことを大絶賛しているのを聞いて、「同性の評価がここまでいい子ってすごいな」と思った。特に手厳しい梨花からのお墨付きを得られた真子は、本当に良い子なのだろう。

男なんてしょうもないプライドを持っている生き物だから、意外に周囲からの評価は気になるもの。

同期の慎二からも、真子と同性である梨花からも好評価の真子のことを、見直さずにはいられなかった。

何よりも、今日会って印象が変わった真子。この前のデートでは緊張していただけだと言うこともわかり、逆に純粋で信頼ができるなと思った。

そんなことを思っていると、なんとなく真子との結婚もイメージできた。そろそろ腰を据えて落ち着きたいと思っていた僕は、もう一度、真子をデートに誘ってみることにした。

そして何度かデートをしているうちに、彼女の良さがどんどん見えてきたので、僕は真子に真剣交際を申し込むことを決めた。


▶【Q】はこちら:2回のデートで終わったはずの関係が“復活”。商社マンが27歳女性の良さを再認識したワケ

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この記事へのコメント

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No Name
せっかく上手く行った話なのに、全く感情移入出来ないどころか寒々しい印象しかない。しょうもな男の戯言に笑えもしない。読後の謎の不快感は毎度のこと。
もっとほっこり出来るライターさんのを連載を読みたい。クリスマス時期は例年不定期更新の人気連載を読めたのに、今年は無さそうで残念。
2025/12/21 05:2814Comment Icon3
No Name
梨花の意見に左右されてるけど初対面で一緒に飲んだだけ(しかも遅れて来た)では、相手のごく表面的な一部分しか分からない。真子は好きな人の同僚だから梨花に嫌われないように笑顔で頑張っただけ。東京界隈でなかなかいないよあんないい子? 普段梨花はどんな人達を見てるんだ?
2025/12/21 05:5311Comment Icon2
No Name
周囲(他人も含めた)の評価を最重要視して彼女を選ぶとか、お飾り人形の妻が欲しいだけの爺さんと大差ない。
2025/12/21 05:2910Comment Icon1
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男と女の答えあわせ【A】

三浦マキ

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

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