この街を愛し続ける者がいる。そんな彼らが贔屓にする店には、銀座ならではのロマンが隠れていた。
達人たちが案内する、秘密の行きつけへいざ。
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元経産省、M&Aも手掛ける多彩な顔をもつママ
1984年生まれ。慶應義塾大学を卒業後、経済産業省に勤務したのち金融業界へ。30歳で独立開業、34歳で『BAR IRIS』をオープン。歴史あるクラブ『クラブ凜』のママも務める。
Q1.銀座のクラブの雰囲気は?
「秘めやかさ、華やかさ、そしてしとやかさがあります。銀座はお店同士の競り合いではなく、垣根を越えて、よい意味での仲間意識が強いです。銀座全体で連綿とお客さまを大切にしてきた歴史を感じます」
Q2.銀座のすごいところは?
「苛烈なコロナ禍でもお店は一軒もつぶれていないと聞きました。『BAR IRIS』も、お客さまのサポートにより耐えしのぎました。『この店がなくなったら困るよ』と。銀座はそんな温情がある街だと思います」
Q3.なぜ銀座のママに?
「松本清張の小説に影響を受けて“銀座のママ”という響きに憧れていました。引き寄せられるように二十歳からは銀座でばかり過ごして。就職後もいつかは銀座へ……と願い続け、ご縁がご縁を呼び、夢が叶いました」
1.元会員制で秘めやかさは抜群。扉を開けると嬉しい仕掛けに驚く
『栃咲き』
経産省、政府系ファンドでの勤務を経て、M&A仲介業の代表を務める加藤さん。現在は経営者と銀座のママの2つの顔を持つ。
そんな彼女が懇意にするのがここ『栃咲き』。同じく8丁目にある『トチバー』の姉妹店で、「銀座の常連さんたちへの感謝を込めた集大成」として8年前に誕生した。
「オーナーの田村さんとはもう7年の付き合い。料理をアラカルトで頼めて、朝までやっているので同伴にアフターにと使い勝手がよく、他のママたちにも好評で必ずお会いします」
深夜は洋食メニューも充実し、食材があればメニューにない料理にも応えてくれる柔軟さ。
山形「つや姫」をおいしく炊き上げた「土鍋ごはん」(1合¥1,500)と、いくらの醤油漬け、明太子、海苔、いぶりがっこチーズ、ぬか漬けの至極のごはんのお供を味わえる「おつまみセット」¥1,500。
「24時以降はカウンターの秘密の扉が開き、美味しいお食事をいただきながらカラオケができるのも魅力」と加藤さん。
この至れり尽くせりのおもてなしが、深夜の選択肢を広げたい銀座の蝶たちに重宝されるゆえんなのだ。
40年以上、食の取材を続けるフードジャーナリスト
大学を卒業後、サンケイリビング新聞社に入社。食いしん坊な性分から1年足らずで食専門のライターに。この道一筋四十余年。最近の食べ歩きは、中華と和食にシフトしがち。
Q1.銀座の高コスパごはんなら?
「高級店が軒を連ねる銀座ですがリーズナブルなお店もいろいろ。例えば泰明小学校近くの『泰明庵』。蕎麦以外のメニューも豊冨で値段も手頃。他にも『レストランYAMAGATA』や『みやざわ』など老舗もオススメ」
Q2.銀座で手土産を買うなら?
「個人的には『銀座ウエスト』のクッキー(中でも『ヴィクトリア』)や『リーフパイ』が手土産の定番。和菓子なら、予約が必要ですが『空也』の最中。日持ちを考えなければ『鮨からく』の『ばらちらし』も」
Q3.銀座の今昔を比べると?
「昔に比べると、銀座はすっかり海外のブランドショップ街になりましたね。昭和のころは、個人経営の甘味屋さんや洋食店もまだ多かったと思います。『エルドール』のような高級洋菓子店もあり賑わっていました」
2.昼の和定食が大人気!創業70年の割烹は夜に通ってこそ真価を見せる
『三亀』
昭和の時代から、銀座を取材し続けてきたライターの森脇さん。
「時の流れの中ですっかり様変わりしましたが、昔と変わらぬ古き良き銀座を偲ばせる一軒がここ『三亀』ですね」と語る。
創業は昭和22年。御年87になる2代目主人の南條勲夫さんは、今はなき関西割烹の名店『出井』で修業。いち早く関西の味を時の文化人たちに伝えてきた。
献立には、今も「茄子の油煮」など『出井』の名残の味が残るほか、「甘鯛の若狭仕立て」など昔ながらの料理が淡々と並ぶ。
「どの料理もシンプルながら、これが和食の原点と思わせる風格を感じさせます」と太鼓判を押す森脇さん。
夜に通ってこそ魅力を実感するが、出色はランチ。
定食の内容、ボリューム、価格設定はまさに銀座の良心。
「銀座に育ててもらいました」と謙虚に語るご主人。昭和のエグゼクティブらが愛したレジェンドの味がここにある。
人生の転機は銀座にあり。日夜飲み歩くライター
1980年生まれ。肉を糧に生きる肉食系ライターとして食関連の記事を執筆。趣味は肉旅(ミートリップ)と食べ物回文を考えること。デュエット曲の十八番は『銀座の恋の物語』。
Q1.銀座で過ごす理想の休日は?
「目下、勉強中の歌舞伎を鑑賞したあとは通しで営業している『ウルフギャング・ステーキハウス Teppan』へ。平日は15時から18時までハッピーアワーを開催。オリジナルカクテル片手に歌舞伎の余韻に浸ります」
Q2.銀座で肉を食べるなら?
「“肉の神様”を訪ねて『マルディ・グラ』へ。週末のランチはダイナーメニューを提供しており、和知 徹シェフのセンスが光るキューバサンドなどを堪能できます。16時から営業の『焼鳥 ひら野』も推し!」
Q3.密かにあこがれる銀座人は?
「銀座で“呉服界のジャンヌダルク”とも呼ばれる『銀座いせよし』の千谷みゑさん。品がありながら遊び心を効かせた華やかな着こなしがとても素敵で、いつか千谷さんに着物をあつらえていただくのが夢です」
3.組み合わせ自在なジントニックは216種!秘密にしたいオトナのための“遊びバー”
『厨房酒場 カモメセラー』
フリーのライターに転向する前は東カレ編集部に在籍。初めてひとりで任されたのが銀座特集だったと小寺さんは振り返る。
「当時の『鮨いわ』で、編集長と決起会をしました。明日から、1丁目から8丁目まで歩き回ってネタを探すぞ、と。いい時代でしたね。
『銀座ロックフィッシュ』でハイボールを飲みながら情報収集をしたり、『ボン・シャン』(閉店)でひとりフレンチデビューをしたり。若旦那衆にお話を伺えたのも貴重な体験でした」
その後出合った『厨房酒場 カモメセラー』は、いまも定期的に訪れる“秘蔵”の店。
「216通りの組み合わせがあるジントニックや“幸せを呼ぶ炭水化物シリーズ”など店主の料理も素晴らしく、食が好きな方にご紹介するのも楽しみ。
なじみのお店の差し入れ用にカツサンドを作っていただくと、大人になったなあとしみじみ思います」
「カツサンド」¥1,950。店主の故郷、岩手県産の白金豚を使用。
テイクアウトやハーフサイズ(¥1,080)の注文も可能。袋分けになっているので手土産にも。
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