A1:行ってみたいお店だったし、気が合いそうだと思ったから。
義樹と出会ったのは、タワマンのパーティールームで開催されたワイン会だった。
ワイン好きな人たちが各々お気に入りのワインを持ち寄って飲む…という会だけれど、もちろん目的は別にある。
私はもちろん、出会いを求めて参加した。
最初はまんべんなくみんなと談笑していると、少し遅れて一人の男性がやってきた。
「皆さん、僕の友人で、弁護士の義樹です」
そう幹事の慶太さんに紹介された人が、義樹だった。
― 弁護士さんなんだ…。
頭の中で、何かが弾ける。30代前半くらいだろうか。しかもたまたま私の隣に座ってくれたので、二人で色々と話し込んでいた。
結局この日は何もなかったけれど、翌日。義樹の方から個別で連絡が来た。
― Yoshiki:昨日はありがとございました。よければ、次は二人で美味しいワインが飲める店へ行きませんか?
なんとなく、こういう流れになることは予測していたが、彼から連絡が来たことは嬉しかったし、ちょっと安堵した。
― sana:いいですね!ぜひ。
初デートは、義樹がワインが好きな私のために、『élevé』を予約してくれていた。
「う〜〜〜ん、美味しい♡」
「ですよね。ここ、グラスワインが豊富で。二人で一本開けても良いのですが、いろんな種類を飲めた方がいいかなと思って」
好きなテイストのワインを、グラスでたくさんの種類の中から選べるのは、ワイン好きからするとたまらなく贅沢な環境だ。
「義樹さんは、普段はどの辺りで飲まれているんですか?」
「僕は家が白金なので、あの辺りも多いですし。でも西麻布とか六本木とか…。たまに銀座もあります。紗奈さんは?」
「私もその辺りですかね。あとは恵比寿とか。美味しいお酒とご飯に目がなくて、素敵なレストランがある場所へ行く感じです」
「それ、わかります!いいですよね」
ここまで話していると、なんとなく義樹の人となりや経済レベルがわかってきた。美味しいものが好きで、いいお店もたくさん知っている。
しかも、これは本当にただの偶然なのだけれど、気になっているお店を言い合っていた時のこと。
「実は今、軽井沢で一軒行ってみたいお店があって…」
「え、どこですか!実は僕もあるんです」
まさかの、同じお店をブックマークしており、お互い思わずテンションが上がる。
「これはもう…行くしかないですね」
「ですね!嬉しい」
「紗奈さん、いつ空いていますか?僕、車出しますよ」
「いいんですか!?ありがとうございます♡」
こうしてトントン拍子に二度目のデートが決まった私たち。しかも軽井沢なので少し遠出のデートになる。
― でも別に泊まるわけじゃないし、いいよね。
そう思っていた。
この記事へのコメント
そう? 普通のドライバーだいたい法定速度ギリまで出してる。
もっと急発進・急加速・急ブレーキ、更に高速での車線変更が危なっかし過ぎてシンプルに怖かった とかの方がしっくりくるけどねぇ。
相変わらず…🙊