仕事において重要なのはもちろん中身であるのだが、こと会食となると「舞台」の果たす役割は絶大だ。
東京カレンダーの絶対領域であるレストランの知見を駆使し、会食専門家・yuuu氏の全面協力のもと、その最適解を構築。
「会食を制する店」。この最強の布陣は、価値がある。
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この物語の主人公は……
東京の国立大学を卒業後に商社に入社。英語は苦手だったが入社後に習得。米国勤務を経てアパレルブランドのアジア諸国への展開に携わる。食べ歩きが趣味だが写真を撮るのは稀でSNSもやらない。主に情報収集のみ。
繁華街ではなく隠れ家な立地が、今宵の特別感を醸してくれる
「クライアントに気を使う会食は、味わう余裕がなくなってしまう」
そう話す人もいるが、会食を重ねて学ぶうちに、会食に限らず自然と人に気を使える人格が養われる。ジェントルがデフォルトとなれば、味わいを楽しめる日がやってくるのだ。
英語脳を鍛えれば外国人相手でも余裕。今日は贔屓の焼き鳥店で、スペインのライフスタイルブランドと会食だ。
日本市場におけるライセンスおよび独占輸入権取得に向け関係を深めたい。外国人との会食の場合、相手の国のカルチャーを知ることが出発地点。宗教関連はもちろん、食事のマナーやお酒をどう飲むかも知る必要がある。
例えば日本人が何げなくやる鼻をすする行為も欧州では不快なこと。食事中ならなおさらNGだ。逆に何が喜ばれるかもリサーチを。
スペインでは薪焼きステーキが大定番。炭で焼く肉を嫌いなはずがなく、実際、現地のグルメの最先端で焼き鳥が出没し始めている。そこで選んだのが、神楽坂の『とり卓忠』。
店の雰囲気を感じながらもプライベートが保てる絶妙なシートを選びたい
スペインは夕食の時間が遅く、22時からもざら。そこで会食にしては遅めの20時開始に。
創設者を含む2対2。店の奥にある秘密基地のような半個室で彼らを待つ。
店選びは保守的でいい。絶対的に信頼できる店や店主に身を委ねたい
スペインからのふたりが到着すると、店の手前でうちわを駆使して鶏を焼く大将の姿に早くも大喜び。
海外のデキるビジネスパーソンほど、日本の職人技をリスペクトする。緻密な焼き鳥の火入れも然り。そんな彼らに『とり卓忠』が合うのは、食材の生産者も職人肌であるから。
長野の黄金シャモや和歌山のほろほろ鳥、栃木しゃもは、すべて飼育環境や餌にこだわられた銘柄だ。
その話だけでも特別感があるが、彼らが特に驚いたのは、それら3種のももを1本の串に刺し食べ比べとして提供すること。串を頬張りそれぞれの個性を感じ、まいったとばかりに彼らが言う。
「だから日本が好きなんだよ!」
繋ぎは卵くらいで、あとはもも100%のつくね。
「ハンバーグを意識してジュワッと溶ける食べ心地を目指し小判形にしています」と店主の高橋卓也さんが話すとおり至極ジューシー。
続けて店主の故郷・秋田の日本酒を飲み、本物のSAKEの味に驚いていた。
さらに関心を引いたのが、『とり卓忠』のコースが飲み放題付きであったことだ。パーティではなく飲食店のディナーで飲み放題というのは欧州では珍しく、10種そろう日本酒が軒並み旨い。
「食材もシェフも酒も、職人が勢ぞろいだ」
会食で相手が喜んでくれる姿は、昔のデートの成功と同じくらい嬉しい。先方が日本の技術を好んでくれるように、僕たちも彼らの地元で生まれたブランドに敬意を持っている。
職人の話の流れで、想いを伝えた。日本の消費者は彼らの美学を理解し、商品を大切に愛用するだろうと。
温かなムードが流れる中、炊きたての土鍋ごはんが登場した。新米の上で松茸が日本の秋を知らせる。余ったらおにぎりにという話もあったが、4人でわんぱくに完食。
二次会への道程までもドラマを仕込む。そこまでできれば会食上級者
腹ごなしは石畳の風情ある街の散歩だ。夜の観光気分が盛り上がる。
特に遅くまで提灯がともる毘沙門天の前で、先方の創設者は妻にテレビ電話するほど喜んでいた。完璧な2次会への導線だ。小径沿いのバーに入ると、僕たちは「山崎」のグラスを傾けた。
半年後、彼らのファクトリーを再訪。『とり卓忠』で絶賛されていた秋田の日本酒を手土産に、スペインに降り立った。
【エンゲージメントを高める一手】
◆遅刻の時の対応が、その後のムードを左右する
ゲストが15分以上遅れて到着するとなった場合には、「すみません!先に1杯頼んでしまいました!」と言えば相手の罪悪感も薄れる。自分の遅刻は致命的。
リカバリープランは、店に遅刻する旨を伝え、ゲストにシャンパンを先に提供して、待っていてもらうなど。
◆ビジネスの話にとどまらず、ハズさないネタを仕込むべし
好きなことや趣味に共通点を見つけると、相手を問わず、一気に距離が近づく場合が多い。特に日常生活をよくするライフハックは共通の話題として好まれる傾向にある。
安旨グルメ、疲労回復サプリ、いびきの治し方、整体etc.有益な情報を仕込んでおけば役に立つ。
◆次への関係へ繋がる話は離席してでもメモをとる
自社にとってポジティブに働く話であれば、隙をみて必ず携帯にメモをとっておきたい。逆に困った話をされたときは「一度社内に持ち帰ります」と伝えた上で、同じくメモを。
いずれも前提として「御社に興味がある」という真摯な姿勢を見せることが、信頼の近道。
「15,000円会食」成功の舞台は……『とり卓忠』
「信州黄金シャモ」や「栃木しゃも」、和歌山のほろほろ鳥など多種多様な鶏を一度に味わえると話題の焼き鳥店。メイン通りから外れた場所にある、まさに食通たちの隠れ家だ。
■衣装
[男性]スーツ¥306,900、ネクタイ¥24,200〈ともにラルディーニ/トヨダトレーディング プレスルーム TEL:03-5350-5567〉、シャツ¥47,300〈マッキントッシュ/マッキントッシュ 六本木ヒルズ店 TEL:03-5843-1580〉、バッグ¥165,000〈シャンボール セリエ/八木通商 TEL:03-6809-1718〉
[女性]ジャケット¥82,500、パンツ¥47,300〈チルコロ/トヨダトレーディング プレスルーム TEL:03-5350-5567〉、ブラウス¥64,900〈J&M デヴィッドソン/J&M デヴィッドソン カスタマーセンター TEL:03-6809-2422〉、バッグ¥53,900〈ジャンニ キアリーニ/ジャンニ キアリーニ 銀座店 TEL:03-3573-7600〉
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