Q2:男が友達に紹介しない理由は?
最初は二人の時間が楽しくて、他人なんてどうでも良かった。
お互いに忙しいので会うのは週末が多かったこともあり、貴重な週末、二人で過ごせればそれで良かった。
ただ交際して半年が経つ頃に、ふと思った。
― あれ?私って義樹の友達や会社の人達のこと、何も知らないな…。
私の友人には数名だけ会わせたことがあるけれど、義樹のほうの友人にはほぼ会ったことがない。
“ほぼ”と言ったのには理由がある。偶然街で義樹の先輩カップルに会い、「せっかくなので…」ということで、4人で飲むことになったことがあるからだ。
「菜々ちゃんは、義樹のどこが好きなの?」
義樹の先輩がからかって聞いてきた時も、私はちゃんと大人な対応ができたと思う。
「優しいところですかね。むしろ優しすぎてたまに心配になるくらい」
「最高な彼氏だね」
「そうなんですよ。でももっと男らしさもたまに欲しい時もありますけどね。家だと本当に静かですし」
「まぁ義樹は、マジでいい奴だからね」
「あと周りの人にほぼ会ったことながなかったので、今日こうやって素敵な先輩に会えて嬉しいです♡」
こんな会話で盛り上がったのだけれど、私のノリが気に入ってもらえたのか、それ以来、たまに先輩と義樹の三人で飲んでいる。
でもその度に、私が酔っ払わないかヒヤヒヤしている義樹。
「菜々、気をつけてよ…」
しかし義樹はこう言っていたけれど、もちろん粗相なんてしていない。酔っ払いすぎることもないし、もしNGなら、この初回以降先輩と会うこともないだろうから。
むしろ会社の先輩を立てていたし、ちゃんとしていた。
その一方で、義樹には何人か私の女友達に会わせたことがある。みんな良い子達だし、すぐに義樹を受け入れた。
「出会いは?」
「義樹さんは、菜々のどこが好きなんですか?」
最初に会わせた時、みんな興味津々だった。
「明るくて、自分をしっかり持っているところかな」
それに対して、真摯に答えてくれていた義樹。終わった後も、「賑やかでいいね」と言ってくれた。でも今から考えると、この圧が嫌だったのだろうか…。
ただお互いの友人にそこまで会えない以外は、順調に進んでいた私たち。
そんな時、急に義樹の転勤が決まった。
まさに青天の霹靂で、もちろん驚いた。でもそれと同時に、私は期待した。
― ここでプロポーズかな?
交際して2年も経つし、ケンカもしていない。仲が良く、着実に幸せを築いてきた私たち。
でも私の期待は風船のように弾け、義樹は一人で大阪へ行ってしまい、そして私たちは遠距離恋愛にうまく適応できず、別れることになった。
― 向こうで、誰か新しい恋人ができたの?それとも、結婚しなかったことがすべての間違いだった…?
そもそも、友人に紹介してもらえない時点で答えは出ていたのだろうか?
幸せで楽しかっただけに、私の心はショックで引き裂かれそうだ。
▶前回:「仕事で会食に行ってくる」と頻繁に言う彼女。その場に男性もいることを知った29歳男は…
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
▶NEXT:6月8日 日曜更新予定
転勤先で新しい女ができたのか!?
この記事へのコメント
一方、お酒飲めない男子もどうなんだろう、毎度オカンのように「飲み過ぎないで」言われたら楽しく飲めない。
菜々の友達に会わせた後「賑やかでいいね」は恐らくうるさ過ぎてウンザリしたんだと思う。 義樹はお酒一切飲めない女性と付き合えばいい。