◆これまでのあらすじ
大手IT企業のマーケティング部課長・桜庭菜穂。30歳になった途端に、結婚どころか交際相手もいない自分の現状に、焦りが芽生える。そこでマッチングアプリを久しぶりに開始。2人の男性とデートをするが――。
▶前回:「30歳でも、まだまだイケる?」マッチングアプリでの自分の市場価値に、女が安堵したワケ
Vol.3 恋愛がイマイチなとき、元彼をググってしまう
― ああ、やっぱり返信がない…。
水曜の夜、私はベッドの上で深いため息をついた。
マッチングアプリで出会った男性は、2人。
大手保険会社営業の勇斗さん。そしてエンジニアの宏伸さん。この前の週末、2人と連日デートをして、手応えはあった。
― 特に勇斗さん。あのデートは最高だったよな…。
浅草の有名な蕎麦店でランチをして、タクシーで日本橋に移動。映画を一本観てから、夜は高級感あふれる鉄板焼レストランで食事をした。落ち着きと華やかさが共存した、まさに大人らしいデートだった。
― なのに。
私は納得のいかない思いで、勇斗さんとのLINEを見返す。
『菜穂:今日はありがとうございました。またお会いしましょう』
『勇斗:はい、ありがとうございました!』
ここから、続きのやりとりがない。
― もうダメなのかな。
ウキウキしていた気分が、溶けるように消えていく。
エンジニアの宏伸さんとのやりとりも同様で、当日のお礼をしたあと「ありがとうございました」で会話が終了したきりだ。
私は、LINEをそっと閉じ、電気を消して布団をかぶった。
◆
宏伸さんから連絡があったのは、その翌日だった。
この記事へのコメント
アプリだし菜穂も複数人とデートしてたんだから、まぁ相手も同じだろうし仕方ないよ。
相談所で様々ダメ...続きを見る出しされて婚活に疲れが出始めた頃、時短勤務の同僚との対談で彼女に既婚マウント取られて落ち込み、元カレに連絡とかそんな話の流れか?笑