A2:結婚に対するプレッシャーが強すぎる。
交際が始まってから、ずっと順調だったわけではない。ケンカもあったし、別れようと思ったこともある。しかししばらくするとすっかり関係性も落ち着き、ケンカも減った。
だがそれと同時に、折々で友美の「結婚してよ」アピールが増していく。
例えば、宣言通りバリ島へも一緒に行ったのだが、僕はそこでも何とも言えない思いをすることになる。
たしかに、交際半年のタイミングではあった。しかし最終日のディナーとか、デザートのタイミングとか…常に友美は、何か期待に満ちた目で僕を見つめてくる。
そして帰国後、しっかり彼女の怒りの矛先が僕に向いてきた。
それは、疲れてソファでゴロンとしている時だった。
「あのさ…光宏、本当に結婚する気ある?」
― あぁ、また始まった。
「結婚前提って言っていたよね?この先、ちゃんと将来あるの?決めてる?」
たしかに、結婚する気はあった。けれどもこうガミガミと「結婚、結婚」と言われるとゲンナリし、する気も失せてくる。
「わかっているけど…もう少し待てない?まだ付き合って半年だし」
「もう半年だよ?周りだって、みんな結婚しているんだし」
「みんなって誰だよ。自分たちは自分たちでいいじゃん」
「私、待てないからね?」
「わかったよ」
どうしてこうも、プレッシャーをかけてくるのだろうか。まだ交際して半年だし、そんなに焦ることでもないはず。
それにお互いのタイミングもある。なのに、とにかく結婚に対して焦っている友美。
そしてその焦りは、だんだんと「僕と結婚がしたい」わけではなく、「結婚と結婚がしたい」ようにも見えてきてしまった。
― それって、本当に正しいことなのか?
そして時が経つにつれて友美のプレッシャーは形を変えていく。
温泉旅行をした際も、偶然目の前に子ども連れのご家族がいたのだが、いちいち面倒なことを言ってくる。
「光宏、見て。可愛いね」
「本当だ」
「やっぱり女の子って可愛いね。でも男の子でもいいな〜。家族で温泉旅行とか最高だよね」
「そうだね」
「光宏的には、男の子と女の子、どっちがいい?」
「どっちでも可愛いと思うけど、娘だったら溺愛してやばそうだわ」
「たしかにね」
― 結婚だけじゃなく、子どものプレッシャーまで!?
正直、結婚すらまだ考えられていないのに、子どもの話をされても困る。でも同時に、僕は気がついた。
友美と結婚する気がないことに。
たぶん本気で結婚したい相手だったら自分から、すでにプロポーズをしていると思う。でも自分でもかなり渋っているのはわかっている。結論を、先延ばしにしていることも。
「付き合おう」と言わない男と一緒で、男が「結婚しよう」と言ってこないのには、何か理由がある。
タイミングじゃないとか、決意できないとか…。
色々と言い訳があるかもしれないけれど、答えはシンプル。付き合ったり、結婚するまでの決め手がないのだ。
逃したくないほど本気だったら、男はすぐに動く。交際期間とか、もはや関係ない。
そして友美は彼女としてはいいけれど、どうも結婚というイメージが湧かないのかもしれない。
いや、最初は湧いていたけれど、結婚してからも何かしらのプレッシャーをかけられ続けるうちに、完全に逃げ腰になってきてしまった。
しかも結婚後も、何かとチクチクと言われ続ける生活なんて御免だ。
それに、別れるなら早いほうがいい。
そう思い、僕は別れを切り出すことにした。
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▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
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女が冷める瞬間とは
この記事へのコメント
いやいや読者には友美が自立している大人の女性とは到底思えなかったけど😂 自立と書くだけでなく具体例なども交えて欲しい。
“自立しているから僕にがっつり依存してくることもなさそうだ”
えーーー?もう一秒でも早く結婚して精神的経済的にガッツリ寄りかかろうとしてる女かと思うけど。 とりあえず友美の職業は最低でも書いて欲しかった。