運命なんて、今さら Vol.6

気になる女性との通話中に聞こえた“あの音”。32歳男はガッカリしてしまい…

◆これまでのあらすじ

恋人いない歴7年。恋愛をあきらめて生きてきた税理士・寿人(32)は、趣味のソロキャンプ中に結海(28)と出会う。寿人は、妹・華に、なかなか進展しない結海との恋について相談して勇気をもらった。

▶前回:11歳年下の女子大生に恋愛相談してたら、意外な展開に。恋愛に奥手な32歳男は…


2月2週目の土曜、17時過ぎ。

寿人は、親友のサブちゃんに連れられて、恵比寿の地下にあるこぢんまりとしたバーにやってきた。

「ひどいよなあ、寿人」

横に座っているサブちゃんは、ウイスキーグラスをゆらゆら揺らす。

「この前電話かけたとき、第一声で、なんだサブちゃんかって、ガッカリしてさ」

「はは、ごめんって」

先々週、妹の華と鮨店を堪能した帰り道、寿人のスマホが震えた。

寿人は「もしかして結海さん?」と一瞬期待したのだが、相手はサブちゃんだった。

残念に思った本音が、わかりやすく声に出てしまったようだ。

「で、サブちゃん。プロポーズの結果は?」

その日サブちゃんは、沖縄から電話をかけていた。「今からプロポーズするんだけど、緊張して死にそう」と伝えてきた彼を、寿人は励ました。

肝心の結果について、まだ聞いていない。

するとサブちゃんは、両手を高く突き上げる。

「大成功だった!ミチと無事、結婚することになりましたー!」

「おおお!やったね!」

寿人が拍手をすると、バーテンダーや周辺にいた常連と思われる人たちも一斉に沸いて「おめでとう」と手を叩き出す。

寿人は、ここがサブちゃんの行きつけのバーであることを、ようやく認識した。

― サブちゃんって、どこに行っても周りに愛されるよなあ。

いつも等身大で、ガハガハ笑って、人々を明るく照らす。いつも周りに人がたくさんいる。親友なのに、自分とは真逆の存在だと寿人はいつも思う。

「ということで、次は寿人の番だな」

「ん?」

「あの実家がパン屋さんの子、どうなったんだよ」

この記事へのコメント

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No Name
実家の件は、安易に研哉に相談して色々とやって貰った上に恋人価格で実費以外は無料にしてもらった事がそもそもも始まり。それの見返りに絶対服従させるようになったなら、「操られてる」とか思うのではなく実費以外も全て精算して支払った上でこれ以上恩着せがましい事言ってモラハラを加速させるなら別れる等、きちんと伝えて話した合っていたら今は違ってたかもしれない。従うからどんどん相手はつけあがる。
2025/02/12 05:3014返信1件
No Name
もう無理…この連載。期待外れ。切なさが伝わってきたり感情移入して泣けるような恋愛話で最後の最後にハッピーエンドなら良かったけど。この女の人物設定も苦手。
2025/02/12 05:5014
No Name
案の定、超イライラする展開になってる。こういう話は読んでもどっと疲れるだけ。ずぶ濡れだろうと何だろうと、もう別れて他人なのだから家に入れちゃダメなんだよ。バカだなぁ。うんざりして体育座りしてたのにバスローブの要求には「はーい」ってわざわざ段ボール開けてまで出して渡すとか…自分で自分を苦しめて悲劇のヒロイン気取り?
2025/02/12 05:3713
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