年収4,000万男子の恋愛事情 Vol.7

「天然なのか、わざとなのか…」体を密着させスマホ内の写真を見せてくる31歳女に、男は…


俺は、ミナ本人から聞いたので彼女の職業が歌手であることを知っている。

歌だけで生活するのが困難ならば、六本木で働いていることも納得できるし、むしろ応援してあげたいと思う。

事情を知らない香澄がネタにするのは、ちょっと感じが悪いので、ミナの話を終わらせる方向に持っていった。

「どうでもいいじゃん、この話はもうやめよ。ほら、何か旬のフルーツでカクテルでも作ってもらったら?」

「…はぁい。う〜ん、何飲もうかなぁ。あまりアルコールが強くないのがいいんだけど…」

「それでしたら、完熟の柿とオレンジを使ったカクテルはいかがですか?」

マスターが香澄に提案する。

「わぁ美味しそう!じゃあそれ、お願いしま〜す。楽しみ楽しみっ!」

香澄は、大人しく従ってくれた。

― よかった。いつもどおりの彼女だ。

相手の提案に素直に乗るところや、可愛いリアクションが完璧で、さっき感じたマイナスな感情が薄まっていく。

「あ…じゃあ、俺はグレンリヴェットをロックで」

なんとなく、秋山に出会った時に飲んだウイスキーを注文した。

― 彼らは今、何をしているんだろう?

ロックグラスを揺らしながら、そんなことを思っていると香澄に肩をツンツンされる。

「翔馬さん、やっぱりあっちのソファ席にしません?」
「いいよ。その方がゆっくりできそうだもんね」

俺たちはスタッフに確認してから、半個室の席に移動した。


L字型のソファなのに、お互いの足が触れそうな距離に腰を下ろす香澄。

焼き鳥に行った後なのに、彼女の肌や髪からはちゃんといい匂いがするからすごい。

「私、こう見えて料理するんですよ」

突然“家庭的ですよ”アピールを始めた香澄。

「会社にはお弁当を持って行ってるし、予定がない日の夕飯は必ず自炊するようにしてて…」

俺にぴったりとくっついて、スマホ内の画像フォルダを見せてきた。

どれどれと見てみると、そこには絶妙に微妙な手料理の数々が並んでいた。

天然なのか意図的なのかわからないが、男心をくすぐる何かを香澄は持っている。

「偉いよ。いい奥さんになりそうだね」

俺が褒めると、次は過去の恋愛について語り出した。

学生時代に元彼がストーカーになったため、男性不信になりかけたこと。直近の彼氏とは結婚の話も出ていたが、男の浮気が原因で別れてしまったことを。

この記事へのコメント

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No Name
絶妙に微妙な手料理の数々🤮
2024/10/25 05:3514
No Name
尾行を提案&実行し、夜のお仕事だと完全に決めつけた上で私ならやらないなぁ…とかミナちゃんが職業を明かさなかったのは夜の仕事だからか…とか、平気で陰口を言いながら男に媚びてる香澄。かなりど級のクズだと思う。翔馬が経営者とか関係ない言ったけど、香澄みたいな女はお金持ちじゃない男子とは付き合う訳ない。
2024/10/25 05:4014
No Name
話の展開がおかしいと思う。アッパー層がバーでキス? 昨日の連載もこれも読んだ後どっと疲れる。そもそも、温泉とかそんな泊まりの小旅行計画しても、男女できっちり部屋を分けるとかしない限り香澄に食われて終わるのがオチ。
2024/10/25 06:3010
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