2024.10.14
恋のジレンマ Vol.7恋は、突然やってくるもの。
一歩踏み出せば、あとは流れに身を任せるだけ。
しかし、最初の一歩がうまくいかず、ジレンマを抱える場合も…。
前進を妨げる要因と向き合い、乗り越えたとき、恋の扉は開かれる。
これは、あるラブストーリーの始まりの物語。
▶前回:バーで出会った清楚女性の“裏の顔”に遭遇。あまりのギャップに、29歳男は驚愕し…
異性の友だち【前編】
「ねえ、吉沢くん。今日って、やっぱり参加できない?」
帰り支度を整え、デスクから離れようとしていた吉沢諒也は、足を止める。声をかけてきたのは、同僚の及川葵だ。
「…ああ、今日は先約が入っててさ」
諒也があっさりと返答すると、葵は不満げに口を尖らせた。
今日は、同期女性の送別会があるのだ。
6年前、 諒也はその女性と共にこの大手製薬会社にMRとして就職。以来、同じ新宿の営業所に勤めてきた。
だからか、葵としては、諒也に送別会に参加してほしいと望んでいたようだった。
だが、諒也は、彼女と親しくしていた覚えはない。
諒也は、仕事とプライベートを完全に分けるタイプ。同僚とはいえ一線を引き、むしろライバルであると捉えてきた。
自分の営業所内での成績がトップなのは、そんな姿勢を維持してきたからだと諒也は自負している。
「ちょっと顔出すくらいできないかなぁ…?」
それでもなお諦めずに食い下がる葵が、やや煩わしい。
「うん。悪いけど」
「ええ…。なに、彼女?」
「いや、彼女ではないけど…」
実際に彼女ではないが、約束の相手は女性ではあった。諒也は仕事ができる上に容姿もいいため、言い寄ってくる女性はあとを絶たない。
交友関係は狭いものの、女性とは適度につながりを持ち、プライベートを充実させていた。
― 察してくれよ。
心のなかで呟くと、葵も「わかりましたよ」と言わんばかりに肩をすぼめながら頷いた。
― やっと諦めてくれたか…。
葵は面倒見がいいタイプなのか、職場で孤立しがちな諒也にこうしてよく声をかけてくる。
すると、葵が突然、上目遣いに諒也の顔を覗く。
「その目、どうしたの…?」
「え?目って…」
諒也は指で左目の上瞼をさする。ズキンと鈍い痛みを感じた。
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