恋のジレンマ Vol.7

「内緒ですよ」とささやかれ…。新宿の眼科で28歳MRが惚れた、受付女性の“神対応”

恋は、突然やってくるもの。

一歩踏み出せば、あとは流れに身を任せるだけ。

しかし、最初の一歩がうまくいかず、ジレンマを抱える場合も…。

前進を妨げる要因と向き合い、乗り越えたとき、恋の扉は開かれる。

これは、あるラブストーリーの始まりの物語。

▶前回:バーで出会った清楚女性の“裏の顔”に遭遇。あまりのギャップに、29歳男は驚愕し…


異性の友だち【前編】


「ねえ、吉沢くん。今日って、やっぱり参加できない?」

帰り支度を整え、デスクから離れようとしていた吉沢諒也は、足を止める。声をかけてきたのは、同僚の及川葵だ。

「…ああ、今日は先約が入っててさ」

諒也があっさりと返答すると、葵は不満げに口を尖らせた。

今日は、同期女性の送別会があるのだ。

6年前、 諒也はその女性と共にこの大手製薬会社にMRとして就職。以来、同じ新宿の営業所に勤めてきた。

だからか、葵としては、諒也に送別会に参加してほしいと望んでいたようだった。

だが、諒也は、彼女と親しくしていた覚えはない。

諒也は、仕事とプライベートを完全に分けるタイプ。同僚とはいえ一線を引き、むしろライバルであると捉えてきた。

自分の営業所内での成績がトップなのは、そんな姿勢を維持してきたからだと諒也は自負している。

「ちょっと顔出すくらいできないかなぁ…?」

それでもなお諦めずに食い下がる葵が、やや煩わしい。

「うん。悪いけど」

「ええ…。なに、彼女?」

「いや、彼女ではないけど…」

実際に彼女ではないが、約束の相手は女性ではあった。諒也は仕事ができる上に容姿もいいため、言い寄ってくる女性はあとを絶たない。

交友関係は狭いものの、女性とは適度につながりを持ち、プライベートを充実させていた。

― 察してくれよ。

心のなかで呟くと、葵も「わかりましたよ」と言わんばかりに肩をすぼめながら頷いた。

― やっと諦めてくれたか…。

葵は面倒見がいいタイプなのか、職場で孤立しがちな諒也にこうしてよく声をかけてくる。

すると、葵が突然、上目遣いに諒也の顔を覗く。

「その目、どうしたの…?」

「え?目って…」

諒也は指で左目の上瞼をさする。ズキンと鈍い痛みを感じた。

この記事へのコメント

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No Name
あーぁ、またまた全く応援したいと思えない主人公。
ものもらいになったのを飲み会に誘う医師のせいにするのもどうなんだ。
2024/10/14 05:2914返信4件
No Name
この連載は正直内容も文章もいまひとつ。
くっそう、くっそう ってこっちが言いたいわ。
2024/10/14 05:3212
No Name
有紀さん実は既婚とか。で、夫は取引先の 飲み会に誘って来るドクター。
2024/10/14 05:3611返信1件
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