2024.09.10
酒飲みの間で“俺たちの月9”なる異名を持つ冠番組『吉田類の酒場放浪記』が不動の人気を誇る、酒場詩人・吉田 類。
その、底知れない魅力に迫った。達人・類さんが推す、東京都内の居酒屋もご紹介!
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人間関係に於ける“距離感”の大切さを、酒場を通じて学ぶ
「こんな酒飲みになりたい」と、吉田 類さんに憧れている大人は実に多い。
自身の番組では評判の酒場の魅力を紹介しつつ、時に居合わせたお客さんと盃を酌み交わし、最終的にはほろ酔いの姿まで見せるときも。が、あくまでスマートで、どこか品があるからだろう。
酒場の練達・類さんの域に近づくにはどうすれば?渋谷『立呑 富士屋本店』で、当のご本人に尋ねた。
こちらは2018年まで同じ桜丘町にあり、類さんもこよなく愛した名酒場『富士屋本店』の流れを汲む居酒屋だ。
この日繰り返し語ってくれたのが、人間関係に於ける“距離感”の大切さ。それは言うまでもないかもしれないが物理的なことだけでなく、精神的なことも指す。そして、自身はそれを酒場を通じて学んだのだ、と。
「酒と肴と場の雰囲気を楽しむことは大前提。が、楽しむ=無軌道に非ず、です」
確たるフィロソフィがあるからこその超然とした雰囲気、目指したい。
吉田 類STYLEのポイントは……
品の良さが滲むファッションも、類さんのアイコンのひとつ。この日は「イタリアのブランドが好き」というだけあり、「GIORGIO ARMANI」のジャケットとハンチングがキーアイテム。
合わせたパンツは「agnès b.」。メガネは表情が分かりやすいハーフリム、時計はドイツの老舗ブランド「WEMPE」を愛用。
■店舗概要
店名:立呑 富士屋本店
住所:渋谷区桜丘町16-10
TEL:03-6455-2473
営業時間:【火~金】17:00~(L.O.22:30)
【土・日】16:00~(L.O.22:00)
定休日:月曜(祝日の場合は翌火曜)
席数:スタンディング60名相当
「人情も粋な、うまい酒場です」と吉田 類さんが推すのは、今年、創業52年を迎える『ととや』。
古き良き昭和感が、訪れる人を出迎える。
美食の街・荒木町に『ととや』はある。
しゃらりと音を立てて揺れる縄のれんをくぐると、そこに広がるのは年季を感じさせる飴色の世界。
ほどなく大将から「いらっしゃい!」と笑顔が向けられる。
『ととや』は1972年に創業。20年ほど前に同じ荒木町から、現在の地に移転したが、変わらぬ笑顔とサービスに3日と空けずに通い詰める常連も。
「『美味しいよ』って言ってもらえる。それが何より嬉しいんです」と、大将はカメラの前ではにかんだ。
「厚切りの刺身が美味しく、銀だらはホクホクで肉厚。日本酒がすすむ」
「刺身盛り合わせ」(2人前¥2,000)は、築地の仲買い人だった板長が毎朝豊洲で厳選する旬の魚が並ぶ。
「薄っぺらい刺身を食べても美味しくないでしょ」と、刺身は厚切りにするのが『ととや』流。
「銀だら炭火焼き」(¥800)は、特製だし醤油に漬け熟成させた逸品。
客が主役の飲食業だが、譲れない線もある。
「お客様の要望をすべて聞いていたらとんでもないことになる。何しろ狭い店だから」との理由で、酒は1種類につき1銘柄のみ。
この“潔さ”もまた、クセになる要因のひとつだ。
「類さんが初めて来てくれたのは20年前。他のお客さんと乾杯したり談笑したり。楽しく気さくな方です」。そう言って、大将は訪問を振り返る。
束の間の巡り合いを楽しむ、古き良き日本らしい人情が残る『ととや』。
吉田 類が『ととや』を推す真意は、ここにあるのかもしれない。
■店舗概要
店名:ととや
住所:新宿区荒木町10-17
TEL:03-3357-3319
営業時間:17:00~(L.O.21:00)
定休日:日曜、祝日
席数:カウンター10席、テーブル20席
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