『幸せになる、 小さなお店。』 Vol.5

Course

小箱ならでは、の完璧なプレゼンテーション。

右. カウンター中央に据えられた鉄板は、肉料理に対する思い入れの表れでもある 左.テーブル席も用意されていて、8名までの予約も可能。パーティにも使える

レ マリアージュ ドュ ガク

Les Mariages de GAKU

満足度保証付き。遊び心溢れる肉自慢のコース。

今年2月、“激戦区”といわれる恵比寿東口にできたフレンチの店が話題だ。全14席の空間だが、カウンターもテーブルもゆったり居心地がよく、クロスはなしのラフなスタイル。が、料理はコース主体。4800円という価格だけ聞けばカジュアルフレンチの相場と思うかもしれないが、これが特筆ものである。

オーナーの和久井学シェフは、『銀座レカン』で焼き場を任されていたとあって、メインはイベリコ豚や栃木産牛など極上の素材を使った肉料理のみで勝負。ほかはおまかせだが、男性と女性で少し違った料理を提供する。スモークサーモンを使った前菜なら、男性には鉄板焼きにして、女性にはスライスをサラダ仕立てでという具合に。

“お楽しみのひと皿”なる締めご飯が供されるのもユニーク。これにも、男女の皿がある。「カップルでシェアできる、という発想がスタート。小さな驚きがあり、会話も弾む。女性同志のお客様にも好評です」と和久井シェフ。

メインに使用する鉄板を店内が見渡せるカウンターの中心に据え、ゲストの様々な反応を直に見ながら調理する。サービス精神旺盛なシェフ自身が、この小さな空間を最大限に楽しんでいて、その躍動と幸福感が店中に波及するのだ。

右.メインは3種から選択。ボリュームも太っ腹。仔羊のロースト 粒マスタードソース 左上.お楽しみのひと皿。女性には、豆乳のリゾット お茶漬け風 左下.男性にはフランス版つけ麺を

右.栃木産牛イチボのステーキ 左上・左下.前菜。女性にはスモークサーモンのサラダ仕立て、男性には厚切りを鉄板焼きで。料理はすべてディナーコース¥4,800より

右.すべてに目が行き届くよう、緻密に配された22席 左.日差しが入る厨房で腕を揮るう笹嶋伸幸シェフ。「長時間働く場所。スタッフのためにも快適さが必要」

キュイジーヌ フランセーズ エミュ

cuisine fransaise émuN

真に身体が求める軽やかな料理を、好適なリズムで。

カジュアルな時代だ。シンプルでボリュームある料理に、より多くのスポットが当たる。完全無農薬の野菜と天然鮮魚を多用し、塩分・油分を適切に抑さえた『エミュ』笹嶋伸幸シェフの料理は、軽やかでヘルシーという現代的なフラッグを持ちながら、どこか古風。それは風に逆らうように手間仕事に専心する、シェフの内面がにじみ出ているからかもしれない。

31歳で渡仏し、『ラングル・ド・フォーグル』などに勤務。『タイユヴァン』ではポワソニエを務めた。『エミュ』でも、魚料理を手厚く揃える。それは「元来、魚派で肉はあまり食べなくてもいいタイプ。自分が食べて美味しいものを、お客様にお出ししたい」からだ。

食べることで身体がすっきりとする料理は、反面、単調さや量の不足とイメージされる恐れを含む。だからこそ、肉料理には味わいと量でスタッカートをつける。それは決して沈み込むような音を出すためでなく、軽快な最終章への手がかりのために……。

シェフは指揮者、厨房はオーケストラ、コースは楽曲。そう、曲の解釈は指揮者次第であり、音の届かない場所にお客の満足はない。この席数は、当世忘れがちな当たり前のことを実現させるための方策でもある。

右.毛ガニとサルピコンレギュームのジュレ、エビのクネル、パテ・ド・カンパーニュ 左上.能登島の赤土野菜と土浦の完全無農薬野菜のエクスポジション(大地の恵み) 左下.福井県若狭湾のスズキ 久松さんが作った完全無農薬・無機化学肥料のナス5 種類の調理法

右.フランス産鴨のフォワグラのプレッセ仕立て 左上.5.フロマージュブランのブランマンジェ 左下.エゾ鹿のロースト ソース・ポワブラード。料理はすべてディナーコース¥6,000~より


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