東京に点在する、いくつものバー。
そこはお酒を楽しむ場にとどまらず、都会で目まぐるしい日々をすごす人々にとっての、止まり木のような場所だ。
どんなバーにも共通しているのは、そこには人々のドラマがあるということ。
カクテルの数ほどある喜怒哀楽のドラマを、グラスに満たしてお届けします──。
▶前回:一橋卒の28歳エリート証券マン。上司から誘われ、日本橋のバーに渋々付いて行ったら…
Vol.5 <マンハッタン/セントラルパーク> 橘秀之(40)の場合
「橘さん、ご馳走さまでした」
「おう、付き合ってもらってありがとな」
「今夜は本当にありがとうございました。俺、もう一踏ん張りしてきます!」
「うん、頑張れよ」
体育会の学生のような威勢のいい挨拶は、本来静かなバーにはそぐわない。
けれど、たまたま他に客......
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この記事へのコメント
ここがなぜか妙に心に刺さり泣けた。
この作者さん素晴らしいなぁ。再来週だけどリサの話も楽しみ。
橘の海外赴任時代の気持ちと、家族を持った今の気持ちも、それくらい切り替えられているのだろうね。
次回は、12年前は女優の卵だったリサの話。素敵な女優になっていたらいいな。