マティーニのほかにも Vol.5

損保勤務の28歳独身男がNY駐在に。現地で彼女ができ、マンハッタンのバーでデートしていたら…

東京に点在する、いくつものバー。

そこはお酒を楽しむ場にとどまらず、都会で目まぐるしい日々をすごす人々にとっての、止まり木のような場所だ。

どんなバーにも共通しているのは、そこには人々のドラマがあるということ。

カクテルの数ほどある喜怒哀楽のドラマを、グラスに満たしてお届けします──。

▶前回:一橋卒の28歳エリート証券マン。上司から誘われ、日本橋のバーに渋々付いて行ったら…


Vol.5 <マンハッタン/セントラルパーク> 橘秀之(40)の場合


「橘さん、ご馳走さまでした」

「おう、付き合ってもらってありがとな」

「今夜は本当にありがとうございました。俺、もう一踏ん張りしてきます!」

「うん、頑張れよ」

体育会の学生のような威勢のいい挨拶は、本来静かなバーにはそぐわない。

けれど、たまたま他に客......


この記事へのコメント

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No Name
一話完結( 先週登場した上司ではあるけれど) で、12年前の回想なのにすごく感情移入させられたステキなお話だった。マンハッタンは「切ない恋心」と言う意味もあるし、バーテンダーの優しいはからい含めてうまくまとめたなと。
2024/06/19 05:2853
No Name
さようなら、俺の女王様
ここがなぜか妙に心に刺さり泣けた。

この作者さん素晴らしいなぁ。再来週だけどリサの話も楽しみ。
2024/06/19 05:3350返信1件
No Name
マンハッタンのチェリーをパセリの葉に変えるだけでセントラルパークになる。同じ飲み物なのに全く違うもの。
橘の海外赴任時代の気持ちと、家族を持った今の気持ちも、それくらい切り替えられているのだろうね。

次回は、12年前は女優の卵だったリサの話。素敵な女優になっていたらいいな。 
2024/06/19 11:2917
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