変わりゆく東京、進化するグルメ 「東京美食エリアガイド」 Vol.5

『新宿』
食の拠点・新宿三丁目 Part1

新宿三丁目も二丁目に近い末広亭周辺は、飲んだくれが集まる小さなバーがひしめく。
このエリアに大きな異変が起きたのは、この数年のこと。

夜な夜な人が集まる店内。ふたりでも大勢でも寛げる、雑多な居心地の良さがここにはある。黒板に書かれた季節感満載の『本日のおすすめ』から、料理を決める客が多い

クラウディア

通りに人が溢れてる。そんなの今までなかった。
震源地のひとつが、この店。

何でもあって何にもない。それが新宿。中でも新宿三丁目、殊に末広亭周辺エリアは、今までずっとそうだった。美味探求者は鼻も引っかけず、酔いどれだけが律儀に徘徊する街。ここに大きな変化が訪れたのは、東映映画会館跡地に現新宿マルイアネックスができた2007年、そして副都心線が全線開通した2008年のことだ。その胎動を見越し、食べて飲める新店が増え始めたのが、2005年辺り。ここ『クラウディア』もそのひとつである。

喧噪を離れた小道沿い、大きく開いた窓側にピザ窯。冬でもビニールで覆って使えるテラス席。開放的なテーブル席。閉じた世界を押し広げるような造りに、勤めや買い物帰りのお客が自然と集う。誰をも受け入れる正しい店作り。それが真骨頂だ。

供される料理もまた、しかり。

「外れのない味を心がけている」というシェフ、林正満氏の言葉通り、奇をてらわない“普通にアタリ”の味に出合える。日本内外の旬の食材を使うが、狙いすぎることはしない。ワインはイタリア産を中心にボトル約70種類。グラスは毎日、赤白各約6種類ほどを用意する。「私の気分で、ついつい増えてしまって」と、店長でソムリエの木村直美さんは笑う。

安心できること。料理も酒も雰囲気も。この街になかったもの。新しいお客たちが望んだもの。

『クラウディア』にはその全部がある。かつての主役たちは少々隅に追いやられてしまったけれど、街に息吹が戻ったことを、素直に喜んでおくべきなのだ、本当は。

スプーン

彗富運

新宿三丁目エリアの急先鋒
安くて旨い人気ワイン食堂。

「安くてうまいワインをがぶがぶ飲み、料理をがっつり食べる」スタイルを地でいく繁盛店。2,000円台から揃うワインと左党のツボをつくフレンチベースの料理に、翻弄されること必至だ。

かね七商店 鮨ひろ喜

真っ当な仕事が心を打つ
雑居ビル内に潜む鮨の名店。

今年6月、新宿三丁目の雑居ビル内に暖簾を掲げた鮨店。店主の髙崎博喜氏は、旬の魚に江戸前の手技を凝らし、あの手この手で堪能させる手練ぶりで贔屓客も多数。この界隈では希少だ。


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