「そういうとこ」で振られる男 Vol.6

新人女性の出張土産・大分県の銘菓『ざびえる』に喜ぶ34歳男!でも指導中の「ある言葉」で最悪なムードに…

◆これまでのあらすじ
人気女性誌のWeb媒体でコラムの編集をする優斗(34)。過去の恋愛で、3回連続「そういうとこだよ」という言葉で振られてきた。元恋人・美紀から突然呼び出され、ホテルのラウンジで3年ぶりに再会。「そういうとこ」の答え合わせをまたひとつ達成したら、今度は編集部で…。

▶前回:3年前に破局した元カノから突然の呼び出し。カフェで再会したら“あるモノ”を手渡され…


Vol.6 辞めないで欲しいから…


― これ…『ざびえる』じゃないかっ!

2週間ぶりに出社すると、デスクに大分銘菓が置かれていた。それも、1個だけじゃない。12個入りがまるまる1箱も…だ。

付箋には「林さん、出張のお土産です」とだけ書かれている。

バターのガツンとくる濃厚な甘さ。それと、純和風の白あんが醸しだす上品な甘さは、控えめに言って自分史上最高のバランスだ。

ラム酒漬けのレーズンが入った“金”の『ざびえる』は、そこに芳醇さが加わってまたいい。

ひと口でノスタルジックな気分に浸らせてくれるこの和洋折衷菓子が、僕は昔っから大好きなのだ。

― でも、誰からだろう?僕の好物を知ってる人…っぽいよな。

編集部内を見渡そうと、おもむろに顔を上げる。暗転したデスクトップの真っ暗な画面には、『ざびえる』の箱を胸に抱え、頬が緩んだ自分の顔が映る。

そして、そのすぐうしろには…長い髪をした女性の人影が薄ぼんやりと映っていた―。

この記事へのコメント

Pencilコメントする
No Name
まど香もまた生意気で気強そうだなぁ🤦🏼‍♀️
2024/04/08 05:1134
No Name
媒体によって文体を変えるのは当然と言うか、従わないとダメな事ではないのかな....読者層によって好まれる文章も変わってくるし。優斗は優しいから、 「〜♡」うちではあまり使わないかなと遠回しに言ったけど要はそれ止めろよって事だよ。イラついて態度出すとか口答えしてくるとか、もう...
2024/04/08 05:2034返信1件
No Name
こんなもんAIにやらせればいいんだよ。まど香よりいい仕事すると思うよ。
2024/04/08 05:5024
もっと見る ( 7 件 )

【「そういうとこ」で振られる男】の記事一覧

もどる
すすむ

おすすめ記事

もどる
すすむ

東京カレンダーショッピング

もどる
すすむ

ロングヒット記事

もどる
すすむ
Appstore logo Googleplay logo