2023.12.11
30.5歳~女たちの分岐点~ Vol.8「30.5」歳、それは女性がキャリアチェンジする平均年齢だ。
それまでをどう生きるかで、その後の人生が変わると言っても過言ではないだろう。
本連載ではインタビューを通して、今活躍中の女性たちが30.5歳のときに何をしていたのか。また、そこに至るまでのキャリアを振り返り、何を考え、どう行動してきたのかを掘り下げていく。
今回は、株式会社WRAY代表取締役の谷内侑希子さんが登場。新卒でゴールドマン・サックスに入社後、ちょうど30.5歳の時に異業種への転職を経験。35歳で、女性のセルフケアを中心としたブランド「WRAY(レイ)」を立ち上げる。
彼女は30.5歳までをどう生き、その後どんな道を歩んだのだろうか。
谷内侑希子さんの「30.5歳」に迫る。
取材・文/坂井あやの
撮影/長尾真志
▶前回:「サイバーエージェント退職は怖かったけど…」玉田理沙があえて“3年先の人生設計をしない”理由
1984年生まれ、大阪府出身の39歳。祖母、母ともに経営者の家庭で育つ。
早稲田大学商学部を卒業し、ゴールドマン・サックス証券に入社。メリルリンチ日本証券(現「BofA証券」)への転職を経て夫のロンドン転勤に帯同。帰国後は、YCP Holdings(現「YCP Solidiance」)に参画し、スキンケアブランドのマーケティングを担当。
同傘下のN&O Life(現「SOLIA」)取締役、ファッションPRマーケティング会社ステディスタディ経営企画室室長を経て2020年に独立。女性向けのセルフケア商品を開発・販売するブランド「WRAY(レイ)」を立ち上げる。
プライベートでは3児の母で、現在は夫の赴任先のオランダ・アムステルダムと日本の二拠点生活を送っている。
「WRAY」公式Instagram:@wray.jp
「WRAY」公式HP:https://wray.jp/
谷内侑希子Instagram:@yuccoxx
―― 現在、女性向けセルフケアブランド「WRAY」を立ち上げ、起業家として活躍されていますが、キャリアのスタートは外資系金融企業の最大手「ゴールドマン・サックス」に勤めるバリキャリ女子だったそうですね。
早稲田大学を卒業して新卒で「ゴールドマン・サックス」(以降GS)に入社し、金融法人営業部に所属していました。銀行や生命保険会社に、金融商品や金融取引を提案する仕事ですね。
27歳の時、上司の転職に伴って「メリルリンチ日本証券」(現「BofA証券」)に私も転職。その上司にはとても恩があったし、一緒に働きたかったのでついて行きました。
―― 20代で大手外資系企業に就職しエリート街道を邁進してきた谷内さんですが、キャリアの転換期となったのはいつですか?
転職して1年後、28歳の時、夫のロンドン転勤が決まりました。夫だけ単身赴任するという選択もあったので、まずは、日本に残ってこのままこの会社でキャリアを積んでいくことを想像してみたんです。
そうしたら、それは私の歩みたい人生とは違うかもしれないと感じて。ちょうど妊娠中で第一子が産まれるタイミングとも被っていて、産休もあるのでひと呼吸置くために、一度リセットしようと。
キャリアチェンジじゃなくて、「ライフスタイルをチェンジしたい時期」とちょうど重なったんです。
―― 築き上げてきたキャリアを捨てる未練はなかったのですか?
それまでは会社の待遇に不満もなく、仕事のやりがいもありました。でも、ずっとキャリアを積む未来がイメージできなかった。
自分がどうなりたいかを考え、それに向けて自分で決断をするという、今の“キャリア思考”を築くきっかけとなった大きな転換機だったと思います。
―― では、谷内さんの「30.5歳」はどんなタイミングでしたか?
夫と共にロンドンから帰国して、日本で仕事復帰した時期ですね。
YCP Holdings(現「YCP Solidiance」)傘下のN&O Life(現「SOLIA」)に入社しスキンケアブランドの開発やマーケティングを担当していました。
―― これまでの金融業とは全く違う業種を選んだ理由とは?
身近な人がマーケティングの世界にいたことで、業界理解が早かったことが大きいです。
仕事の話をよく聞いていたし、私の性格を知っていて「ゆっこはマーケティングに向いてるよ」って言われたり、マーケティングの世界で生かせる私の強みを教えてくれたり。そんな周囲の言葉にも背中を押されました。
―― 30.5歳を超えてから、新たな業界でチャレンジしたのですね。怖さや不安はなかったのですか?
今でもよく色んな方から「異業種への転職ってどうやったんですか?」って相談されるんです。
これまで扱っていた金融商品と、コスメやアパレルは同じ軸で話せるものでもない。今までとは違う世界に飛び込んだので、現在の私では考えられないですが、採用条件を交渉する場で「未経験だしな…」と弱気になったこともありました。
そしてその後も、縁があってファッション業界のPR会社で経営企画として働いて。
今思い返すとそれぞれ未経験だから怖いというより、チャレンジしてみたいという前向きな気持ちが強かったですね。
私のキャリアって異色とよく言われるんですけど、実際、ファッション業界にも金融業界にも私みたいな経歴を持つ人は少なくて。
だからこそ、違う視点でマーケティングできることが私の強みになったし、今につながる大きな“点”になりました。
◆
輝かしくキャリアをスタートさせた20代を経て、ロンドンで一度は専業主婦になり出産・子育てを経験。帰国後もコスメブランドの立ち上げや、有名アパレルPR会社で経営企画を務めた谷内さん。
仕事もプライベートも両立させる憧れの生活を送る彼女だが、華やかな経歴の裏には、いくつもの試練があった。
それをどう乗り越え、今のたくましくポジティブな谷内さんへと成長させたのだろうか?
読むことができます
【30.5歳~女たちの分岐点~】の記事一覧
2024.01.30
Vol.11
「20代は会社をうまく活用すべき」サイバーエージェント退社後、29歳でパリ短期移住を叶えた秘訣
2024.01.18
Vol.10
テレ朝アナ当時の前田有紀は「自分が空っぽに思えた」。5年悩み続け退社、起業家への“可憐”なる転身
2023.12.25
Vol.9
医師・大学院生・母、3足のわらじを履く32歳女性。「子どもが欲しい」から導き出したキャリア形成論
2023.11.13
Vol.6
仕事が絶頂の30.5歳で選んだ結婚出産。小山田早織が語る、マスコミ界でキャリアを築く為の3つの鍵
2023.10.30
Vol.5
「私は組織には向かない」29歳で昇進するも退社を決意。ウエディングプランナー黒沢祐子の生きる道
2023.10.16
Vol.4
「総合商社でエリート街道を歩むつもりが…」堀口ミイナが気づいた“大企業での安定”よりも大切なもの
2023.10.02
Vol.3
「人生のゴールは1つじゃない」31歳で弁護士事務所を解雇…山口真由が語る、挫折からの這い上がり方
2023.08.23
Vol.1
「仕事を続ける自信がなくて…」女子アナ時代、笹川友里の背中を押した“夫との壁打ち会議”とは
おすすめ記事
2023.12.06
30.5歳~女たちの分岐点~ Vol.7
「サイバーエージェント退職は怖かったけど…」玉田理沙があえて“3年先の人生設計をしない”理由
2016.12.27
東洋経済:『最強の働き方』『一流の育て方』
貴方は『今年の10大ニュース』で何が思い浮かぶ?生涯二流な人が読んでるニュースの特徴はこれだ!
2022.04.10
華麗なる転職~年収1,000万超の道~
転職面接でこれをやると落される。NGな言動と、正しい対策とは
2017.03.13
東洋経済:『最強の働き方』『一流の育て方』
貴方は当てはまってない?飲み会1回でバレる「二流の人間の故障っぷり」4大特徴はこれだ!
2017.03.29
東洋経済:『最強の働き方』『一流の育て方』
貴方は大丈夫?レジでの支払いっぷりでバレる二流な人の3大特徴はこれだ!
2016.09.19
東洋経済:『最強の働き方』『一流の育て方』
メールの速さに「仕事能力」の大半が出る!あなたのメールの反応っぷりは、大丈夫?
2022.03.13
華麗なる転職~年収1,000万超の道~
「弱点だと思っていたところが評価されるなんて!」転職に成功した人に共通する”ある特徴”とは
2022.03.27
華麗なる転職~年収1,000万超の道~
「35歳限界説」はもう古い。プロが語る20代~50代までの世代別・失敗しない転職戦略
2024.03.08
人気業界の光と闇
「5大商社勤務という優越感で満足できる人なら、理想の会社」たった2年で退職を決めた、若者の本音
2017.03.30
東洋経済:『最強の働き方』『一流の育て方』
採用活動で学生にモロバレしちゃってる、駄目企業の3大特徴はこれだ!
東京カレンダーショッピング
『秋田かまくらミート』:秋田を代表するブランド牛「秋田由利牛」!サシの美しい上質なしゃぶしゃぶ用サーロイン
『肉のABCフーズ』:黒トリュフ塩付!牛タン&A5ランク黒毛和牛を使った極上ハンバーグ
『パンツェロッティ』:具材ごろごろボリューミー!フレッシュな野菜と肉感満載のフライドピッツァ
『HAL YAMASHITA 東京』:シルクのようななめらかさ!冷え冷えトロリの新食感"ウォーターチョコレート"
『レザンファンギャテ』:しっとりと濃厚で、コクのあるニューヨークスタイルのチーズケーキ
『ル・ボヌール 芦屋』:しっとりサクサク!フリーズドライ苺にホワイトチョコをたっぷりと浸透させた新感覚スイーツ
ロングヒット記事
2024.04.23
今日、私たちはあの街で
3回目のデートで、終電を逃した28歳女。翌朝、男が激しく後悔したワケ
2024.04.23
Editor's Choice~fashion~
最大10連休のGWのお出かけに!カラフルなミニボストンバッグが、万能な理由とは?
2024.04.25
Editor's Choice~beauty & wellness~
すれ違ったときに香るぐらいが好印象!大人のニオイ対策には、上質なランドリーアイテムを取り入れて
2024.04.26
大人の週末ToDoリスト
GWは東京でヨーロッパ旅行気分! 『イタリア展 2024』や『フランス展 2024』などイベント3選
2024.04.28
Editor's Choice~gourmet~
最高に気持ちいい空間で、ラグジュアリーな外飲み体験!今から楽しめるビアガーデン6選