お手頃、本格、美味! 行きつけにしたいカジュアルレストラン Vol.4

ガンヴィーノ

Ganvino

超人気イタリアン『トラットリア シチリアーナ ドンチッチョ』。
その2号店となる『ガンヴィーノ』が7月末に誕生した。
シェフの地元・岩手の食材に力を入れるというこの店。
どうやら"肉"にもこだわるらしいのだが……。

現在、こちらの店舗は休業しております。

同郷のふたり。岩手出身のイタリアンの雄、『トラットリア シチリアーナ ドンチッチョ』石川勉シェフ(右)と、少しでも震災復興のお手伝いを、と『ガンヴィーノ』を取り仕切る遠藤悟シェフ(左)

岩手の豚で産物で東北支援。燃えろ、熱き新時代居酒屋

未曾有の東日本大震災は、飲食業界にも大きな影響を与えた。いや、過去形ではない。今もこれからも余波は続く。復興に向けての被災地支援は、長く継続することが肝要となってきた。ならば、出向いていくばかりでなく、東京で出来ることをやっていこうじゃないか。そう考える人も増えてきた。で、実行に移したのが、『トラットリア シチリアーナ ドンチッチョ』石川勉シェフである。岩手出身の石川シェフ、同郷の遠藤悟シェフを店主に据え、岩手の食材とワインでもてなす店を開いた。

「故郷を思う気持ちが、50歳になって芽生えてきた。だから、岩手の産物で何かやりたい、と前から考えていたんです。そこに震災でしょ。炊き出しに行って、あまりの惨状に驚きましたよ。ともかく、少しでもお役に立ちたい。今は長い目で支援を考えることが大事。産物を継続的に使っていくことも、そのひとつだと思ったんです」と石川シェフ。三陸の海産物は諦めざるを得なくなったが、岩手の産物を色んな角度から紹介していきたい、と思いは熱い。

店名は『ガンヴィーノ』。この「ガン」は岩手の「岩」だ。イタリアン風の名前だけど「居酒屋チック」な店にしたい、と遠藤シェフ。冷麺あり、ひっつみあり、岩手のキュウリのフライあり。郷土色豊かだ。中でもイチオシは、岩中豚肩ロースの南部鉄器焼きである。南部鉄器は岩手を代表する伝統工芸品。温度ムラがなく、冷めにくく、焦げ付きにくいのが特徴だ。この南部鉄器のグリルパンで、豚肉をじっくりグリルする。

「南部鉄器を知ってもらうきっかけになれば」と遠藤シェフ。ジューシーに焼き上がった豚肉は、柔らかいが噛み応えもある。良い感じだ。続けて遠藤シェフは「岩中豚は脂身と赤身のバランスが良く、グリル向き」とも。

メニューでおもしろいのが「とりあえずの一品」の項。南部せんべいに岩手のカクテキ、敏子さんの漬物などが並び、ちょっと楽しい。岩手ワインや日本酒とペアリングさせて、是非。

左.伝統の南部鉄器でじっくりと焼き上げられる、美味しそうな豚肉

右.三陸海鮮冷麺¥1,550。わかめを練り込んだ冷麺に、エビ、ホタテ、カクテキ、メカブなど具沢山

左.岩手は漆の一大産地。個室にある朱塗りの箪笥は見事なもの

右.岩中豚の南部鉄器焼き¥1,700。柔らかく、旨みたっぷりの岩中豚の肩ロースをグリルした逸品

左.蛤ときのこのひっつみ¥1,400。ひっつみは岩手の郷土料理。もっちもちで◎。地野菜版もあり

右.バースペースはなかなか使い勝手が良い。チーズ盛り合わせで岩手ワインを1杯も良いし、こちらで食後酒とデザートもOK

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