やっぱり、ホテルが好き。 Vol.18

アートに身をゆだね、個性派ヴィラに泊まる。光が美しい円形空間で非日常体験を

日本に居ながら、芸術的な刺激を受け、非日常体験ができるホテルが誕生した。

それが、2023年4月1日、広島県大竹市の海辺にオープンした「Simose Art Garden Villa」。

10棟のヴィラと美術館、レストランが一体となった“アート・オーベルジュ”だ。

世界的建築家・坂 茂氏が施設全体を設計し、泊まる建築作品としての醍醐味も満点!



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レセプション棟では、杉材のL型アングルに注目!

チェックインを行う棟も坂建築。施設のロゴやサインを手がけたのは日本を代表するグラフィックデザイナーの原 研哉氏


岩国空港から送迎車で約25分。静かな内海を愛でる庭のようにホテルの広大な敷地が広がる。

鮮やかな花が咲き誇る庭を歩けば乙女心がくすぐられ、美術館屋上テラスからの景色を観たら、さすらいの旅人モードに没入。


大竹コンビナートを望む工場夜景。ホッピングできるコンテナギャラリーも

工場夜景と水辺で光る美術館。8つのカラフルなコンテナは可動式ギャラリーで、定期的に異なるレイアウトへと組み替わる


正面には宮島が浮かび、右奥には大竹コンビナートが煙をあげる。

さらに真下は建築家・坂 茂氏が手がけた可動式ギャラリー。

観たかった景色が集結している立地に驚くが、宿泊者は朝晩も屋上に入れるとあって、夜景への期待が湧く。


植物学者でもあったエミール・ガレの作品をモチーフにした、プレイベートガーデン

美術館が所有するエミール・ガレの作品に登場する草花を中心に、約250品種が植栽された「エミール・ガレの庭」


美術館閉館後は庭も宿泊者限定のプライベートガーデンとなる。

オールインクルーシブ(1泊2食+客室内ドリンク)には美術館のチケットも含まれ、そこには地元企業一族が半世紀かけて集めたアンリ・マティスやエミール・ガレの作品が並ぶ。


坂建築を象徴する「紙の家」。全開にできる窓も魅力的

「紙の家」(100㎡)は110本の紙管をS字に配した空間。露天風呂とキッチン付きで、なんとトイレは巨大紙管の中!


10棟のヴィラのうち4棟は坂氏の過去作品のリメイク、6棟は新作だ。

1995年の別荘のリメイク「紙の家」は、坂建築を象徴する再生紙の紙管を建築の主構造に用いた作品だ。


紙の筒に囲まれた寝室が、非日常を演出

柱の間からこぼれる光も美しく、実はこの柱の一部が隠し扉となっていて浴室に通ずる。1泊2名 230,000円~


圧巻なのが入り口から続く紙管の長い廊下。迷路気分で進むとリビングとテラスがあり、仕切りの向こうがベッドルーム。

紙管にぐるりと囲まれた円形空間はまさに非日常である。


海を眺めながら、お部屋でシャンパンタイム

客室には「ローラン・ペリエ」のハーフボトルとウェルカムフルーツ、ナッツやドライフルーツが用意されている


そんな滞在をいっそう楽しんでもらおうと、客室にはフリーの赤白ワインとシャンパンのハーフボトルが用意されている。


絶景ジャグジーが楽しめる、東カレ的ヴィラ「ダブルルーフの家」


見学した「ダブルルーフの家」(105㎡)は2枚の屋根を有し、海と空と繋がるテラスにジャグジーとデイベッドを設置。


「下瀬美術館」の壁一面の鏡に反射した景色に感動する

宮島から昇る朝陽が反射する美術館の壁。昼には青い海と空がこの鏡面に反射し、広島湾の延長線上にある施設と感じる


泡と建築、景色に酔っているうちに陽が暮れて、既述の屋上テラスに戻ると、不夜城コンビナートが輝いている。

もう一度その夜景を見るため、まだ暗い早朝にも行くと、暁闇のあと宮島から朝陽が神々しく昇りだす。

一瞬にも永遠にも感じる絶景のリレーだ。


開放的なレストランで朝食とシャンパンを


器が美しく焼きたてパンが美味しい朝食は、フレンチトーストも必食。

当然のように朝からシャンパンも提供してくれる。

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