2023.07.11
オトナの5分読書 Vol.1「もっとキャリアアップしたい」「もっと洗練されたオトナになりたい」「もっとモテたい」
そんな上昇志向が強いオトナのために、東カレ編集部が厳選した“ワンランク上の自分になれるための本”を紹介します。
最近活字離れが進んでいる貴方も「5分だけ」読んでみてください!
今回、ご紹介するのは『海外の大学に進学した人たちはどう英語を学んだのか』加藤紀子著(ポプラ新書)。
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「子どもには、英語ができるようになってほしい」
でも、インターナショナルスクールに通っているわけでもなく、帰国子女でもない。
日本の教育システムの中で、どうやったら海外の大学に行けるほどの英語力が身につくのか、と悩んでいる方にオススメの一冊です。
本書では、具体的な英語の勉強方法、留学に関するお金の話、留学後どんな道が開けるのかなどが学べます!
▼INDEX
1. 機械翻訳が進化したら、英語を学ぶ必要はなくなるのか
2. 幼児期から英語を学ぶことって効果あるの?
3. 子どもが海外の大学に進学するために、親ができること
4. 本書のココがすごい!
1. 機械翻訳が進化したら、英語を学ぶ必要はなくなるのか
子どもの習い事メディア「SUKU×SUKU(スクスク)」が行った人気の習い事に関するアンケートによれば、英語はスイミングに次いで第2位。小学校入学前から始めている子どもは3人に1人の割合だ。
英語教育を取り入れる保育園・幼稚園のほか、近年では英語で保育を行うインターナショナルプリスクールも台頭している。
このことから、保護者の中に、「わが子に英語を身につけさせたい」根強い願望があることがうかがえる。
といっても、近年は機械翻訳の精度が大きく向上している。
これからの未来を生きる子どもたちにとって、英語はもはや苦労して身につける必要もなくなっているのか。
これに対し経済学者として活躍するイェール大学の成田悠輔助教授もこうした時代に英語を学ぶ意義について「NewsPicks」のインタビューでこう語っている。
「自動翻訳の性能がちょっとやそっと向上しても、英語の言い回しや声色からにじみ出る相手の感情を読み取るとか、リアルタイムの言葉の往復のもとで心と心を糊でがっちりくっつけるみたいな部分は、その言語を体に染み込ませた人にしか難しいでしょう。
どんなに凄腕の同時通訳者を雇ったとしても、通訳を介している時点で失われるものがあるのと同じだと思います」
また英語を習得する過程で得るものがあるとも指摘している。
「ノンネイティブが英語を学ぶ過程で、自分の英語がどこまで行っても下手だし、伝わらないし、呆れられるし、聞き取りもできないという現実にぶつかります。ネイティブの中にいると、自分が明らかにコミュニケーション弱者だと痛感させられます。
自分を弱い立場に置いて、弱者としての自分に出会う経験ってすごく貴重だと思うんです。
こうした経験をすると、『弱い立場に置かれた時の自分』を強く認識しますし、自分をマイノリティの立場に置いて相手の文化や価値観に触れることになります。
お互いの文化や価値観の違いを認識する技術として、英語の役割はまだまだ残り続けるのではないでしょうか」
このようにむしろ今、英語を学ぶことの意義が高まっているといえるのではないか。
本書は、日本で生まれ育ち、高校までインターナショナルスクールではない日本の学校で教育を受け、そこで身につけた英語力で海外の大学(ケンブリッジ、イェール、ハーバードなど)に進学した人たちへの取材をもとに書かれている。
果たして帰国子女ではない彼らがどうやって日本の教育制度の下、海外大学で学べる高いレベルの英語力を身につけ、そしてその英語力は留学先でどのように磨かれていったのか。
高校まで日本語で日本の教育を受けながら海外の大学進学レベルまで英語力を伸ばしていくのに、何か秘訣はあるのか。