オトナの5分読書 Vol.2

ハイスペ男女は常に実践している!?今、話題の“大人の学び直し”とは

リスキリングの最大のメリットは“稼ぐ”に直結すること


“大人の学び”と“子どもの学び”は違う!

学生の頃に成績優秀だった人が期待されて入社したのに、あまり成果をあげられない。これはよくある話だ。この問題を解く鍵は、チャイルドエデュケーションとアダルトラーニングの2つにある。

学生の本分は「学ぶ」こと。勉強しないという選択肢は、学生をやめる以外に選択肢はない。

他方、ビジネスパーソンにとって、学ぶことは目的ではなく、「稼ぐため」「なりたい自分になるため」の手段。

アダルトラーニングのメリットは以下の3つ。

①プロとして稼げるようになる
②順応力が身につく
③なりたい自分になれる

具体的な学びの4ステップを理解すべし

学びの4ステップ。(『知識とスキルを最速で稼ぎにつなげる 大人の学び直し』より)


学びには、4つの段階がある。

ステップ1:概念の理解
知っている(知識)、本を読んで理解するレベルだ。野球に例えるなら、野球のルールや理論を知っているレベル。試合には出たことがない。

ステップ2:具体の理解
やったことがあるレベル(経験)。野球の試合には出たことがあるが、学んだ範囲でしか対応できないレベル。

ステップ3:体系の理解
仕事にできるレベル(能力)。野球に例えるなら、バッターとしてカーブでもフォークでも対応できるレベル。

ステップ4:本質の理解
人に教えられるレベル(見識)。プロ野球なら主将かエースレベルで、人に教えられる域に達している。

ステップ3、4レベルに高めて初めて「稼げるレベル」といえる。「大人の学び直し」もここまで引き上げる必要がある。

しかし、学生時代の勉強だけでは、ステップ1、2までしか到達できない。

では、それぞれの学びのステップで何をすべきなのかを、次から見ていこう。

ステップ1:概念の理解 知識や情報のインプットは、多読が基本


基本知識を「知っている」というレベルに持っていくのが、ステップ1の段階。この段階におけるインプットは、ほとんどが読書からになる。

できるだけ、速く学習領域全体を把握することが目的となるため、まずは、学びたい分野の本を多読(20~30冊)することが必要だ。

書籍購入は、カテゴリーまとめ買いをして複数の本を並行して読む「パラレル読み」を勧める。

複数の本があると、1冊読んでもわからないことがあっても他の本で調べることができるし、「優れた情報」と「放っておいてよい情報」が選別できるようになる。

また本によっては見解が違うため「共通見解」と「相違見解」を知ることができる。

多読のために、「情報マップ」を作成して、取るところと捨てるところを選別するとよい。

下記は、財務諸表について学ぶことを想定して作成した情報マップの一例だ。

学習領域全体を把握するために「学びの地図」=「学びの情報マップ」を作る。ポイントは、インプットの情報源として“人材”も入れること。(『知識とスキルを最速で稼ぎにつなげる 大人の学び直し』より)


ステップ2:具体の理解 理解したら必ずアウトプットの機会を作る


多読で知識や情報インプットしたあとは、必ずアウトプットの機会を作るとよい。

具体的には、ブログやSNSに記録する、これを「ラーニングジャーナル」と呼んでいる。

メリットは、検索が容易なので“後から見返すこと”ができることだ。

記録するだけではなく、人をうまく活用して、勉強会を開いたり、人に聞く機会を設けたりするのもよい。

また、学習の計画表「学習ロードマップ」を作成する。

ここでは知識のインプットの計画だけではなく、アウトプットのイベントも意図して入れていくことがポイント

学習ロードマップの例。ポイントは学んだことをアウトプットするスケジュールを入れること。(『知識とスキルを最速で稼ぎにつなげる 大人の学び直し』より)


実践にかなう学びはない


たとえば株式や投資についていくら学んでも、実際に投資で利益を出せるかということは話は別だ。スキルや知識も同じ。現場で使うことでバリューを生み出すスキルや知識に鍛え上げられる。

最初は比較的容易な、なおかつ失敗しても被害が少ない実践を数多くこなし、徐々に高度な、大きな実践へと目を向けるのがよい。

その際、ただ場数を踏むのではなく、そこで得た知識や教訓をL&L(レッスンズ・アンド・ラーンド)にまとめて蓄積していくことをすすめる。そうしないと、何度も同じ失敗をすることになるので、一人前になるまでに時間がかかってしまう。

L&Lとは、実践したことを次回に活かすためのデータベースだ。

スキルをものにするためには、自分で実戦経験を増やしL&Lを蓄積していく以外、学習する方法はない。

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