「アフレコ中、辛くて涙が止まらず…」梶 裕貴がそれでも“声優でよかった”と思える理由

「声優でよかった」梶さんが心からそう思える理由とは?


続けて、「なんでもないような景色、温度とか匂いとか、そのすべてをちゃんと感じて楽しむことが大事」と、力強く話す梶さん。

エレンのような難しい役柄なら、なおさら気づきの積み重ねが必要だったかもしれない。

10年間もひとりの人間に声で命を吹き込んできた中で、印象に残っている言葉とは?

「今回の完結編で言えば、エレンがある人を殺めてしまう時に出てきた懺悔の台詞ですね。

争いというのは、“仲間とその他大勢”に分断されてしまうものですが、その他大勢にもひとりひとりの人生があるわけで。それに改めて気づいて、『ごめんなさい』と涙ながらに言うんです。

彼の気持ちが痛いほどわかって本当に辛くなりました。声優の場合、泣くシーンは泣いているように聞こえさえすれば問題ない。

でも、今回は本当に涙が止まらなくなってしまいました。アフレコを中断してしまうくらい彼の気持ちと一緒になってしまって。

演技としても、声優人生においての経験としてもすごくショッキングでしたね。そんなの初めてでしたから。役と一体化した喜びもあれば、彼はそうしてしまったんだなという辛さもあって……忘れられないです」


その境地は、天職を見つけ、真摯に向き合ってきた人だけが辿り着けるはず。

最後に、「声優でよかった」と率直に言う梶さんに醍醐味を聞いた。

「アフレコでのお芝居には様々な制約があります。でも自分にとっては、それがむしろ自由に感じられるんですよね。“声だけで表現する”というその縛りが難しくもあり、同時にたまらなく楽しい」

帰りがけに、店の外の桜の木に蕾を見つけていた梶さん。

敏感な感受性と誠実さもまた、その声にのって視聴者の心を打っているのかもしれない。

【後編】 4/30に公開!
■梶 裕貴さんも唸った、目黒で“ハシゴ”が叶う一軒家の魅力


■プロフィール
梶 裕貴 1985年生まれ、東京都生まれ。中学の頃から声優を目指し、2004年に活動開始。『進撃の巨人』、『七つの大罪』、『僕のヒーローアカデミア』、『鬼滅の刃』、『ジョジョの奇妙な冒険』等、多くのヒットアニメにて主演を務める。『「進撃の巨人」The Final Season完結編(後編)』がNHK総合にて今秋放送予定。今、外食を目当てに行ってみたい街は神楽坂。


▶このほか:【未公開カットあり】話題の俳優・鈴鹿央士が語った「東京に染まったな」と思う瞬間とは



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