【ご報告】 Vol.14

「彼の本性、教えてあげなきゃ…」元夫の再婚相手を呼び出した女。現妻に渡したあるモノとは…

― 【ご報告】―

SNSやメールでたびたび見るこの言葉に、心がざわついた経験はないだろうか?

人生において、新たなステージに入った【ご報告】をする人。

受ける側は【ご報告】されることによって、相手との関係性を見直したり、自らの人生や現在地を振り返ることになるだろう。

この文字を目にした人は、誰もが違う明日を迎える。

これは【ご報告】からはじまるストーリー。

▶前回:昨日まで優しかった彼が、突然モラハラ男に豹変。絶望した女は悲しみのあまり、ある決断をして…


Vol.13 <ご報告:再婚いたしました>


『並行して進めていた女性と、この度成婚することになりました──』

新宿にある『ファンゴーダイニング』の、歩道に面した窓際の席。ランチ中に届いた知らせに、堀内奈々は表情をこわばらせた。

「嘘でしょ…」

「どうしたの?」

長年の友人であり、同じ大手不動産会社に勤務する上坂藍が、心配そうに顔を覗きこむ。

「アプリの男性にお断りされた。今年に入って、5件目よ。やっぱり、私がバツイチだから…」

「そんなことないって。たかだか一度だけの離婚歴でしょ」

藍はランチセットの明太子クリームのパスタを食べながらフォローする。

「でも…」

一方奈々は、運ばれてきた皿に手を付ける気力もないほど落ち込み、肩を落とす。

たった一度だけの離婚。

その、“たった一度だけ”の傷は、他人が想像するよりも、大きく、深いものなのだ。



奈々が結婚したのは、今から6年前の27歳の時。相手は2歳年上の、戸塚修だ。

出会いは、藍の紹介。彼は、藍の夫の大学同窓生だった。

早稲田大学を卒業し、大手新聞社の記者である修。初対面では優しく、真面目な印象を持った。

誠実な人柄を感じ、ともに未来を歩んでいけると信じて、交際から1年足らずで籍を入れた。

だが、そこで待っていたのは地獄のような結婚生活だった。

この記事へのコメント

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No Name
修の人が変わったのが解せない。奈々の時は変わる気すらなかったくせに。何が離婚の罪悪感とショックだ。いつか本性露呈して捨てられろ。
2023/05/24 05:1470返信2件
No Name
修は結婚してからボロが出たのではなく、昔から卑屈で疑い深い奈々と結婚して変わってしまったんだね。お互い離れて結果オーライ離婚。
2023/05/24 05:2049
No Name
奈々、何だか幸薄そうな印象だし性格も悪いよ。婚活で不安になるのも分かるけど、もう少し前向きに考えないと!初対面なのに深い探り入れるとか、相手の些細な態度で心を閉ざすとか、それだとなかなか前に進めない。
2023/05/24 05:2939返信1件
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