東京のアッパー層。
その中でも、名家や政財界などの上流階級の世界は、驚くほど小さく閉じている。
例えば、ついうっかり“友人の結婚式”なんかに参加すると「元恋人」や「過ちを犯した相手」があちこちに坐っていて冷や汗をかくことになる。
まるで、いわく付きのパールのネックレスのように、連なる人間関係。
ここは、誰しもが繋がっている「東京の上流階級」という小さな世界。
そんな逃れられない因果な縁を生きる人々の、数珠繋ぎのストーリー。
▶前回:「この人でいいのかな…」結婚に迷いがあった女。披露宴当日、両親への手紙で告白した本音
Vol.8 P.M.4:43 閉会
フラワーガール・高山日向子(6歳・小学1年生)
壮大な大階段を横目に披露宴会場となったホテルを出ると、すでに陽は傾きかけ、晴れた空が薄橙色に色づきはじめていた。
車寄せにズラリと並ぶ運転手付きのハイヤーやタクシーが、たった今閉会したばかりの披露宴の規模を物語っている。
日向子はその小さな鼻の穴を興奮で膨らませながら、お......
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この記事へのコメント
この連載はいかにも東カレらしいドロドロ感があったけれど、なかなか面白かったなぁ。今度は同じライターさんで爽やかなお話も読みたいね。
相関図が初めて役に立った