【ほろ酔いシネマVol.2】『シェイプ・オブ・ウォーター』を日本ワインを片手に考察!

ハンディキャップを持つ造り手による注目のワイン


嵩倉:それで柳さん、この映画にぴったりのワインはまさかの半魚人ラベルとか?

:いやいやクラリン(担当編集の嵩倉)、もっとふさわしいワインがある。

嵩倉:といいますと?

:ココ・ファーム・ワイナリーの「プティ・マンサン」。

「COCO FARM & WINERY Petit Manseng 2021(ココ・ファーム & ワイナリー プティ・マンサン 2021)」


プティ・マンサンはジュランソンなど、南西フランス原産の白品種。足利の植生がジュランソンと似ていて、湿気に強く、病気にもかかりにくいという。

ワインは砂糖漬けのキンカンを思わせる芳香を持ち、凝縮感とともにバランスの良い酸味が印象的。

4,000円/ココ・ファーム・ワイナリー TEL:0284-42-1194

トロピカルな香りと凝縮した果実味を感じる“ピュア”な味わい溢れるワイン


新谷:日本のワインですね。

:そうです。ココ・ファームは栃木県足利市にある知的障がい者の支援施設「こころみ学園」が母体のワイナリーで、ブドウ栽培やワイン醸造の現場では、実際に知的障がいを持つ園生が活躍しています。

先日、このワインをフランス人の造り手にラベルを伏せて飲ませたところ、「素晴らしい」と大絶賛でした。

新谷:この映画で感動するのは、主人公のイライザが隣人のジャイルズに生物の救出を手助けして欲しいと手話で懇願するシーン。「『彼』は話すことができない、ありのままの私を見てくれる」と。

そのフランス人の造り手も偏見などを持たず、ありのままにこのワインを味わって、美味しいと感じたわけですね。

:そうなんです。

嵩倉:ありのままの私を愛してくださる殿方、今年こそ現れないかしら……。

:ありのままのクラリン……、こわすぎる。

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専門誌からライフスタイル誌まで幅広い分野の雑誌で執筆を手掛け、切れ味あるコメントに定評があるワインジャーナリスト。今月も“彼”とイライザのピュアな心に涙涙......。


映画を中心に、書いたり取材したり喋ったり。個人的に好きな映画は、恋愛や旅を題材にしたもの。いつかワインにまつわる映画のロケ地巡りもしたいと目論見中。


本連載の担当になって5年目に。ワインの知識は少しずつでも着実に積みあがっていると信じ、柳氏にしがみつく日々。最近、真実の愛について考え過ぎて迷走中。


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