ソラノシタ〜成田空港物語〜 Vol.3

同棲2年。彼女との関係が冷えきった中、久々の海外出張が決定。男はつい浮かれてしまい…

空港は、“出発”と“帰着”の場。

いつの時代も、人の数だけ物語があふれている。

それも、日常からは切り離された“特別”な物語が。

成田空港で働くグラホ・羽根田(はねだ)美香は、知らず知らずのうちに、誰かの物語の登場人物になっていく―。

▶前回:交際3年。初の海外旅行を目前に、連絡が激減したのはなぜ…?機内で彼が語った本音とは


Vol.3 正人の物語
「いってらっしゃいませ」でよみがえる記憶


“カチャリ…”。

正人は、できるだけ音を立てないように、玄関のドアをゆっくり開けて帰宅した。

鍵はいつものように、靴箱の上にソッと置く。

体の向きを変えて、脱いだジョンロブの革靴を丁寧に揃えると、足音を忍ばせて洗面所へ直行した。

“ジャーッ!!”

― う......


この記事へのコメント

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No Name
毎日眉間にシワを寄せて不機嫌極まりない顔で「おかえり」すら言わない人と暮らしてたら窮屈だし別れも近いなと思ったけど、まさか名刺入れに付箋でメッセージ入れてるなんて... ♡
2023/02/15 05:2955返信3件
No Name
空港でも日本だからすぐ見つかったけど、海外なら見つからないだろうね。
2023/02/15 05:3244
No Name
最初、産後鬱の妻と寝てるベイビーに細心の注意払って物音立てないように帰宅したのか思ったけど、ただリモートワークで作業してた彼女かよってびっくりしちゃった。
2023/02/15 05:5040
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