
同棲2年。彼女との関係が冷えきった中、久々の海外出張が決定。男はつい浮かれてしまい…
空港は、“出発”と“帰着”の場。
いつの時代も、人の数だけ物語があふれている。
それも、日常からは切り離された“特別”な物語が。
成田空港で働くグラホ・羽根田(はねだ)美香は、知らず知らずのうちに、誰かの物語の登場人物になっていく―。
▶前回:交際3年。初の海外旅行を目前に、連絡が激減したのはなぜ…?機内で彼が語った本音とは
Vol.3 正人の物語
「いってらっしゃいませ」でよみがえる記憶
“カチャリ…”。
正人は、できるだけ音を立てないように、玄関のドアをゆっくり開けて帰宅した。
鍵はいつものように、靴箱の上にソッと置く。
体の向きを変えて、脱いだジョンロブの革靴を丁寧に揃えると、足音を忍ばせて洗面所へ直行した。
“ジャーッ!!”
― う......
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