2012.08.21
今やどの国にもある国民食!? 中国、インド、タイ、韓国料理 Vol.1韓国料理
日本でも一大ムーブメントを起こした韓国料理。その歴史と伝統を感じるべし
カリッと香ばしく焼きあげた豚バラ肉をサンチュで巻いて食すサムギョプサルは、韓国の肉料理のなかでもメジャーな存在。鉄板のうえでオモニが肉を焼いてくれるというのがスンダードだが、最近では厨房で調理するスタイルも珍しくない。
7月に新橋にオープンしたばかりの『韓国料理 MUN』で供するのは、韓国で日常的に食べられている家庭の味。独自のアレンジを加えた料理がメニューにずらりと並ぶが、とくに人気が高いのが、「三元豚の丸焼きサムギョプサル」だ。
ハーブやにんにくとともにマリネした塊肉を190度のオーブンで1時間半かけて焼き上げる手間のかけ方からも“味の違い”が想像できる。豚肉をフレッシュな状態に保つため冷蔵配送にこだわるなど、おいしさの秘密をあげればキリがない。
ジュージューと音をあげて運ばれてくる肉を、まずは何もつけずにひとつまみ。上質な脂を湛えた豚肉が口のなかでとろける。サムジャン(合わせ味噌)や大根の酢漬け、にんにく醤油風味の葱とともにサンチュで巻いて食せば、その旨さに思わず身悶えること間違いなしだ。
※こちらの店舗は現在閉店しております。
最初に訪ねたのは、ほんのりディープゾーン。赤坂通を越えた小さな路地の1軒。セレクトも、まさに「韓国人ヒョンギだから知っている」感じ。出てきたのは、チャジャン麺。日本では珍しい韓国式中国料理の代表格だ。
日本のジャージャー麺と見た目は似てなくもないが、上にかかった味噌がもっと黒い。どちらかというと真っ黒。中国のチュンジャという甘めの味噌を豚肉、玉ねぎとともに炒め、水溶き片栗粉でとろみをつけて麺にかける。発祥は中国で、韓国でも中国料理として認識されているが、味噌をご飯や炒飯にかけるなど韓国独自の発展を遂げた。
「小さい頃、誕生日になるとチャジャン麺。韓国の子どもが大好きな料理だよ」とはしゃぎながら、ヒョンギ流の食し方を指南。「麺と味噌を混ぜるのが基本。混ぜる前に、唐辛子をかけてね。一緒についてくるたくあんには酢をかけて!」。
礼林で食べられるのは、スタンダードなタイプ。具の玉ねぎは、ここの主人が毎日何十個も刻むのだが、その作業だけは絶対他人に任せないのだとか。「玉ねぎの大きさで味噌の味が変わるからね」。チャジャン麺、実は玉ねぎがミソ?
次なる店は、みすじ通の中ほど、ビルの2階。隣には「PC방(バン)」と書かれた、24時間営業の韓国式インターネットカフェ。店に入ると、K‐POPアイドルのポスターや民俗絵画などが飾られ、まるで韓国。オーナーのキムさんは3年前に来日したばかり。
日本式にアレンジされていない韓国家庭料理がメニューに並ぶ。「私が一から漬けたのよ」と話すキム社長のキムチは、ヒョンギ絶賛。以前、接待で訪れた際にこのキムチに出合い、以後常連に。
で、キムチと一緒に食べるなら豚肉ということで、オーダーはポッサム。韓方とともに蒸した豚肉とキムチをゆでた白菜で包んで食べる一皿だ。「『ポッサム』とは韓国語で、『風呂敷状のもので包む』という意味」。韓国では専門店も多く、一杯やりながらつつくことも。
発酵したキムチと豚肉の甘さを、これまた発酵酒のマッコリで流し込むとチェゴヤ(最高だ)!なのだが、ヒョンギはまずはごま油と塩のタレにつけて豚肉だけを味わう。「豚肉の甘さとか柔らかさがダイレクトにわかるからね。キムチと食べるのはその後。で、最後に白菜で包んだら、3回美味しいよ」
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